

(スポニチアネックスより)
第5日 3月28日(月)
▽1回戦
第1試合 13:00 青森山田(青森) 3−16 沖縄尚学(沖縄)
第2試合 15:30 浦和学院(埼玉) 3−4 西 条(愛媛)
沖縄尚学16点!全員18安打!!
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第77回選抜高校野球大会第5日は28日、悪天候を予想し予定を変更して1回戦2試合を行い、第1試合は、沖縄尚学(沖縄)が全員18安打の猛攻を見せ、春夏通じ沖縄勢の甲子園最多得点となる16点を奪い、青森山田(青森)に大勝した。第2試合では、16年ぶり出場の西条(愛媛)が背番号10の津島卓也投手(3年)の粘り強い投球で浦和学院(埼玉)に競り勝った。29日は、1、2回戦計4試合が行われる。
青森山田に完投勝ちし兼屋(左)とグラブタッチする沖縄尚学・前嵩(中央)
<沖縄・沖縄尚学>春雨にも冷めることはない。響く快音。泥を跳ね上げて、沖縄尚学の9人がダイヤモンドを駆けめぐっていった。
「びっくり仰天。練習中でもこんなに打てないんだけど…。7割の力で150%の力を出してくれました」。就任2年目の角田監督も目を丸くする。無理もない。打ちも打ったり、18安打で沖縄県勢春夏通じて最多得点の16点。全員安打のおまけもつけて今秋のドラフト候補、青森山田の左腕・柳田を打った。
初回に比屋根の左犠飛で先制。その裏、エース前嵩が投手の柳田に逆転二塁打を浴びて打線が目を覚ました。2回だ。先頭打者の比嘉が左中間へ豪快な同点ソロ。「入ると思わなかった。でも、145キロのマシンを打ってきたので自信はありました」。大舞台で放った比嘉の公式戦1号が「柳田討ち」の合図となって1死後、赤嶺が右中間二塁打し、前嵩が、与儀が続く。3番・比屋根まで6連打で4点追加だ。右中間へ2打席連続の三塁打を放った兼屋は「狙い通り、ボールになる変化球を見極め真っすぐを叩けた」と言った。
15日の抽選会後、じっくり取り組んできた「柳田対策」。データから直球に的を絞り、打撃マシンを145キロに設定して打ち込んだ。冬場には3種類の重さ(1・2キロ、1・5キロ、1・8キロ)のマスコットバットを練習に合わせて振り込み、1日のノルマは最低500スイング。そんな下地もあり、柳田を2回途中でKOしても猛打は止まらない。3、4回に2点ずつ加え、8回は再びマウンドに戻った柳田からとどめの5得点だ。
99年の県勢初のセンバツ優勝を見て沖縄尚学に入学した球児が、記録的な大勝。勢いは6年前をしのいでいる。
<青森・青森山田 柳田「力不足」>プロ注目の左腕・柳田が、2回に6連打を浴びるなど6失点。その後も流れを止められず、青森県勢春夏通じて甲子園最多となる16失点で大敗となった。再登板した8回にも5点を失って計11失点の柳田は「これだけ打たれたのは初めて。自分の力不足です」と肩を落とした。渋谷監督も「柳田は何より空振りが取れなかった。地元(東北大会)で通用した決め球が全国では通用しなかった」と話した。
<浦和・浦和学院 早すぎる終戦>同点のホームは遠かった。1点を追う9回2死一塁。古市の遊ゴロで封殺された一塁走者・井上は二塁ベース上でうなだれた。浦和学院が6度目のセンバツで初めて初戦敗退。165球を投げ抜いたエース井上は7四球を与えた自身の投球内容を責めた。「ずっと球が上ずっていた。ボールが先行して攻撃のリズムをつくれなかった」
思わぬところで雨の影響が出た。5回1死で左翼線二塁打を放った井上は、続く前野の右前打で1度は同点のホームを踏んだ。だが、堀越、古市が初球打ちで凡退。通常、5回終了時に行われるグラウンド整備が試合進行を考慮して行われず、息が上がったままマウンドに上がった直後に痛恨の3失点。井上は「少し時間が欲しかった」と不運に唇をかんだ。バットで取り返そうと7、9回に執念で安打を放ったが後が続かず、森監督は「勝機をつかみきれなかった」。井上をかばい、3番から7番までが無安打に終わった打線の勝負弱さを、夏へ向けての課題に挙げた。
<愛媛・西条 背番10津島完投>昨秋の公式戦で先発のない背番号10の津島が強豪・浦和学院を相手に完投し、八木監督に甲子園初勝利を贈った。大会直前の練習試合で好投し、先発の座を獲得。右横手からコーナーに制球良く投げ分けて1点リードの8回2死二、三塁のピンチも7番・内田を空振り三振に仕留めた。「最後はしんどかったけど、完投するつもりだった」。59年夏の甲子園を制した古豪が四国勢で唯一2回戦に駒を進めた。
3月28日 第1試合
▽1回戦 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
安打 1 7 2 2 0 2 0 3 1 18
沖縄尚学(沖縄) 1 5 2 2 0 1 0 5 0 16
青森山田(青森) 2 0 0 1 0 0 0 0 0 3
安打 3 0 0 3 0 1 0 1 1 9
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沖縄尚学の大勝。1点を追う二回に比嘉の本塁打など7長短打で一挙5点。この後も得点を重ね、八回には打者一巡の猛攻で5点を追加。18安打で16点を挙げ、圧倒した。前嵩は大量援護に守られ、9安打3失点で完投した。 青森山田は先発の柳田が打ち込まれ、救援の野田も沖縄尚学の強力打線の勢いを止められなかった。
尚 学 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(6) 山 内 3 6 4 3 1 1 0 0 1 0 .500
(2) 兼 屋 3 3 3 3 3 0 1 2 2 0 1000
(8) 比屋根 3 4 1 2 2 1 1 1 2 0 .500
(3) 松 田 3 4 2 2 3 1 2 0 1 1 .500
(5) 比 嘉 3 5 2 2 2 1 0 0 0 1 .400
(7) 小 泉 3 5 1 1 2 1 0 0 0 0 .200
(9) 赤 嶺 3 5 0 3 2 0 0 0 0 0 .600
(1) 前 嵩 3 4 1 1 0 1 1 0 0 0 .250
(4) 与 儀 3 4 2 1 0 0 1 0 0 0 .250
計 40 16 18 15 6 6 3 6 2 .450
青 森 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(8) 谷 川 3 5 1 1 0 0 0 0 0 1 .200
(9) 田 守 3 4 0 0 0 0 1 0 0 0 .000
(2) 加守田 3 4 1 2 0 0 0 0 0 0 .500
(1)313 柳 田 3 4 1 2 2 1 0 0 0 1 .500
(4) 本 田 2 4 0 1 0 0 0 0 0 0 .250
(7) 金 子 3 4 0 1 0 0 0 0 0 0 .250
(3) 高 橋 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ――
1 野 田 2 1 0 0 1 0 0 1 0 0 .000
H3 山 崎 3 1 0 0 0 0 0 0 0 1 .000
1 伊勢田 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ――
1 小 堀 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ――
H 大 東 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
(6) 白 取 3 3 0 1 0 1 0 0 0 0 .333
H 五十嵐 3 1 0 1 0 0 0 0 0 0 1000
(5) 鴨 田 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
H 浅 黄 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
計 36 3 9 3 2 1 1 0 3 .250
▽本塁打 比嘉1号(1)(柳田)=二回 ▽三塁打 兼屋2、谷川、比嘉、小泉▽二塁打 柳田2、赤嶺、山内、松田▽残塁 沖6青8▽併殺沖0青1(野田―白取―柳田)前嵩=3回▽暴投 柳田=8回 ▽審判(球)三宅、桑原、堅田、小坂井 ▽試合時間 2時間36分
投 手 回 打 投 安 振 球 失 責 防御率
前 嵩 9 38 134 9 2 1 3 3 3.00
柳 田 1 2/3 12 50 8 0 0 6 6 ―――
野 田 4 1/3 20 62 6 1 3 5 4 8.31
柳 田 1 2/3 12 51 3 3 3 5 1 18.90
伊勢田 1/3 1 4 0 0 0 0 0 0.00
小 堀 1 4 15 1 2 0 0 0 0.00
3月28日 第2試合
▽1回戦 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
安打 0 2 0 0 1 4 0 1 0 8
西 条(愛媛) 0 1 0 0 0 3 0 0 0 4
浦和学院(埼玉) 0 0 0 0 1 0 2 0 0 3
安打 1 0 2 0 2 0 3 0 1 9
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西条が1点差を逃げ切った。二回に野村の適時打で1点を先制。同点の六回には飯田、津島の二塁打などで3点を勝ち越した。津島は9安打されながら完投。変化球を効果的に使い、粘り強く投げた。 浦和学院は七回二死から3連続長短打で2点を返した。八、九回にも好機を得たが生かせず、力投の井上を援護できなかった。
西 条 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(8) 野 村 3 4 0 3 2 1 1 0 0 0 .750
(4) 越智竜 3 4 0 0 0 1 0 1 0 0 .000
(7) 三 谷 3 4 1 1 0 1 1 0 0 0 .250
(5) 梶 本 3 3 0 0 0 1 1 0 0 0 .000
(2) 飯 田 3 4 1 1 1 1 0 0 0 0 .250
(9) 田 口 3 3 1 1 0 1 1 0 0 0 .333
(3) 川 中 2 3 0 0 0 1 1 0 0 0 .000
(1) 津 島 3 3 1 1 1 0 1 0 0 0 .333
(6) 加 地 2 3 0 1 0 0 1 0 0 0 .333
計 31 4 8 4 7 7 1 0 0 .258
浦 和 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(8) 堀 越 2 5 0 2 1 0 0 0 0 0 .400
(4)5 古 市 3 5 0 1 0 0 0 0 0 0 .200
(6) 渡 部 3 3 0 0 0 0 1 0 0 0 .000
(7) 都 築 3 3 0 0 0 1 0 1 0 0 .000
(2) 今 成 3 4 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
(5) 藤 倉 3 3 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
H 佐 藤 3 0 0 0 0 0 1 0 0 0 .000
R4 溝 田 3 0 0 0 0 0 0 0 1 0 ――
(9) 川 村 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
9 内 田 2 3 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
(1) 井 上 3 4 2 3 0 0 0 0 0 0 .750
(3) 前 野 3 4 1 3 2 0 0 0 0 0 .750
計 35 3 9 3 3 2 1 1 0 .257
▽三塁打 野村、堀越、田口▽二塁打 前野2、井上、飯田、津島▽残塁 西8浦8▽併殺 西0浦0▽捕逸 飯田=8回 ▽審判(球)桂、釜井、小谷、籔内、武藤、佐々木 ▽試合時間 2時間28分
投 手 回 打 投 安 振 球 失 責 防御率
津 島 9 38 138 9 3 2 3 3 3.00
井 上 9 39 165 8 7 7 4 4 4.00
西条が粘る浦和学院を振り切る
【西条・浦和学院】六回表西条1死一塁、飯田の適時打で三谷が生還。勝ち越し=阪神甲子園球場で28日、木葉健二写す
第77回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第5日は28日、1回戦第2試合で16年ぶり5回目出場の西条(愛媛)が4−3で2年ぶり6回目出場の浦和学院(埼玉)を破った。
○西条4−3浦和学院●
【評】西条が中盤の集中打で奪ったリードを守りきった。同点の六回、飯田の勝ち越し二塁打など4短長打に2四球を絡めて3点勝ち越し。津島は内外角を丹念についた。浦和学院は七回2死から3連続短長打で1点差。八回も四球を足掛かりに2死二、三塁としたが、一歩及ばなかった。
■悔い残る最後の一打 浦和学院・前野達郎一塁手
最大のチャンスが九回裏の打席で回ってきた。先頭の井上が左前打で出塁。1点を追う同点機だ。
それまでの3打席は西条の技巧派、津島を完ぺきにとらえた。2本の二塁打と右前打。ベンチでは「外の流れる球に開くな。踏み込んで打て」と、打ちあぐむチームメートにアドバイスを与えていたほどだ。しかし、最後の打席は力が入った。外角のスライダーに体が泳いで左飛に倒れ、逆転への足場は作れなかった。
身長186センチの大型一塁手。昨夏の甲子園では8番を打ち、新チーム結成時は4番を任されていた。ところが、下半身の使い方を矯正しようとして自分の打撃を見失い、練習試合では先発からも外されるようになった。
この日の昼前の練習で「9番先発」を告げられた。「監督に結果は気にするなと言われた。無心で打席に立てたのが良かったのかも」という。しかし、最後の一打に悔いが残る。「勝負の分かれ目で打てなかった。自分の弱さです」。夏に向け、その“強さ”を追い求める戦いが始まった。【滝口隆司】
○…西条の捕手・飯田が攻守で活躍した。「自分でもびっくりした」と振り返った五回の守り。同点の2死二塁は、一塁ベンチ前のファウルフライをダイビングキャッチして切り抜けた。好守に気を良くし、「思い切り行けた」という直後の六回の打席で、ヒット・エンド・ランをきっちりと決めて左中間適時二塁打。「プロ野球みたいで楽しかった」と、ナイターでの勝利の余韻に浸っていた。
〇…「最後はドキドキ。でも、自分の役割はきちんと果たせました」と競り合いの末の勝利に、ほっとした表情を見せたのは西条の1番・野村。二回、右前に先制打を放ち、五回には左翼へ三塁打。さらに、六回には4点目となる適時打を左前へ。「目標にしていた出塁3回は果たせましたが、三塁を飛び出して刺されたり、三振もしたので全体的には75点」。周囲の期待通りの活躍にも反省を忘れなかった。
○…浦和学院のエース井上は、1点を追う五回の打席で左翼線二塁打。前野の右前適時打で同点の本塁を踏んだ。だが、続く六回のマウンドでは、甘い球を狙い打たれて、痛恨の3失点。「走った後のマウンドで、息が整わなかった」。無念の表情で、言葉は途切れがちだった。
○…浦和学院の左翼手・都築が二回の守備でファインプレーを見せた。1点を先制され、なお2死一、二塁のピンチ。西条の2番・越智竜の打球は左翼への大飛球。背走を重ねた末に逆シングルで好捕し、そのままフェンス際に倒れ込んだが、ボールはしっかり離さなかった。「捕れるという自信はなかったけれど、夢中で打球に飛びつきました」。ほんの一瞬、口元を緩めたが、悔しい1点差での敗戦に表情は終始こわばっていた。
▼西条・八木俊博監督 生徒たちが守り切ると信じていた。津島は向かっていく気持ちを随所に出し、それを皆に伝えてくれた。飯田も逃げに回らず、よくリードした。
▼浦和学院・森士監督 六回の3失点が最後まで響いた。井上が踏ん張り、打線もよく粘ってくれたが、自分たちのリズムで野球を出来なかった。
沖縄尚学の打線が爆発 青森山田初戦突破ならず
【沖縄尚学・青森山田】一回表沖縄尚学1死三塁、比屋根の左犠飛で兼谷が生還し先制=阪神甲子園球場で28日、木葉健二写す
第77回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第5日は28日、悪天候のため当初の開始時間より3時間半遅れで1回戦第1試合が始まり、6年ぶり3回目出場の沖縄尚学(沖縄)が16−3で初出場の青森山田(青森)を降した。
○沖縄尚学16−3青森山田●
【評】沖縄尚学が猛打で快勝した。二回、比嘉のソロで同点に追いつくと、さらに6連続長短打でこの回5点。青森山田の柳田を退け、その後も攻撃の手を緩めず着々と加点した。青森山田は一回、柳田の2点二塁打で逆転したが、二回以降、立ち直った前嵩を攻略出来なかった。
◇攻撃の芽を摘む大胆シフト 沖縄尚学
二回、沖縄尚学・比嘉の打球は、もやを突き破り、左中間スタンドではねた。「低めの真っ直ぐ。呼び込んで打てました」
青森山田のエース・柳田にすれば、味方が逆転してくれた直後の仕切り直しのマウンドだ。しかし比嘉のひと振りでくじかれた。
柳田はこの後、6連打を浴び、マウンドから一塁の守備へ。だがこの連打は偶然ではない。対柳田用に140キロ超に打撃マシンを設定し、振り込んできたのも事実だが、相手バッテリーの配球をほとんど三塁側ベンチは読み切っていた。
「(柳田君の)自信のある真っすぐをたたかせた。多分、ショックだったと思いますよ」(角田監督)
一回の攻防を見る限り、打ち合いも予想された。が、そこも指揮官にぬかりはない。二回以降、無用な打ち合いを避けるべく、ポジショニングに工夫を凝らした。内野手を定位置より1メートル後方に守らせ、ベース側を空け、中央を締めるシフトを敷いた。
「打球の飛ぶ確率を考えた一か八かの策ですよ」(角田監督)というが、この大胆なシフトが相手の安打性の打球をことごとく凡ゴロへと変え、攻撃の芽を摘んでいった。
「打撃にしろ守備にしろ、それに応えた選手がすごいんです」。さらりとかわした角田監督だが、関西(岡山)から一昨年春に転任してわずか2年で攻守の総合力で戦う陣容に育て上げた。これまでの沖縄にはないタイプの指揮官が、強烈な印象を甲子園に刻み込んだ。【籔田尚之】
■打たれるはずのない球が 青森山田・柳田将利投手
目の前の光景が信じられなかった。普段ならバットが空を切るはずの球が、ことごとく頭上を越えていった。沖縄尚学打線に6連続を含む8安打で6失点を喫し、二回途中で先発のマウンドを降りた。「生まれて初めての経験」だった。
昨夏の甲子園に続く2度目のマウンドに「緊張はしなかった」という。むしろ今大会での速球派投手の敗退を見て、最速146キロの速球を封印。試合前は「コーナーを突けば打たれない」と自信を見せたほどだ。
だが、二回に先頭の比嘉に左中間ソロを浴びると、いつもの冷静さが崩れた。「どこに投げればいいのか分からなくなった」。赤嶺の中堅右への二塁打を口火に6連打を浴びて降板。一塁の守備についても“パニック”は収まらなかった。再び七回から登板したが、八回にも連続四球や3長短打などで5点を奪われ、2度目の降板。報道陣に「力不足です」と答えるのが、やっとだった。
試合前の自信は、スタンドに運ばれた打球とともに消え去った。「初心に戻って、すべて一からつくり直します」。最後に口を突いた言葉が、再出発を誓っていた。【和田崇】
○…沖縄尚学のエース前嵩は「夢見たマウンドは気持ちよかった」。「あがっていた」という一回は、3長短打で2点を失い逆転されたが、直後に味方が猛攻。前半からの大量リードで落ち着き、120キロ台の直球と緩い変化球をコーナーに散らして完投した。「気持ちでは最速145キロ」と言ってのける強気なエース。この日は「打線とバックの守りを信じたおかげ」と、野手陣に感謝しきりだった。
○…マスクをかぶった青森山田の主将、加守田は「流れをこっちに持ってこられなかった。守りから入るのがうちの野球なのに」と序盤の大量失点を悔やんだ。二回にはエース柳田が7安打を浴びて5失点。強振してくる沖縄尚学打線に対し、カーブでタイミングを外そうとしたが、変化球に切れがなく、甘い速球を狙われた。6盗塁を許したことも反省点。「(相手は)足が一番の武器と分かっていたのに」と大敗に声を落とすしかなかった。
▼沖縄尚学・角田篤敏監督 びっくり仰天。こんな大差で勝てるとは。柳田君の内角低めの直球を比嘉が本塁打したのが大きい。二回の大量点で前嵩も楽になったのでは。
▼青森山田・渋谷良弥監督 エースの柳田、野田があれだけ打たれてみんなが動揺してしまった。いつかは立ち直ってくれると思っていたが……。
第4日 3月27日(日)
▽1回戦
第1試合 9:30 八幡商(滋賀) 1−2 羽 黒(山形)
第2試合 12:00 東海大相模(神奈川) 8−3 三本松(香川)
第3試合 14:30 育 英(兵庫) 0−1 東 邦(愛知)
あの黄金時代再び…東海大相模2発!
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第77回選抜高校野球大会第4日は27日、甲子園球場で1回戦3試合が行われ、第2試合は東海大相模(神奈川)が2本塁打を含む11安打の猛打で圧倒し、希望枠で出場の三本松(香川)に快勝した。第3試合は緊迫した投手戦の末、東邦(愛知)が延長10回に水野祐希捕手(3年)の右中間三塁打で育英(兵庫)にサヨナラ勝ちした。第1試合は、羽黒(山形)が八幡商(滋賀)にサヨナラ勝ち。28日は悪天候が予想されるため予定を変更し1回戦2試合が行われる。
(上から)初回2死一塁、田中が右越えに2ランを放つと、5階には小林が2ランを放つ
<神奈川・東海大相模>豪快な金属音が銀傘にこだまする。ダイヤモンドを悠然と回るのは縦じまのユニホーム。30年前の黄金期をほうふつさせる、強い東海大相模が春の甲子園に帰ってきた。「うれしいです。常に先に点を取る戦いができた」。門馬監督は振り返った。
打棒復活ののろしは初回だ。2死一塁。4番・田中の一撃が右翼席へ突き刺さる。公式戦初本塁打が大舞台とあって「自信になります」と田中。4回に岩崎の左中間三塁打で2点を追加すると、5回には5番・小林が左翼席へ貴重な2ランを叩き込んだ。これが高校通算19号。「先っぽだったけど感触が良かったので入ると思った」。自信に満ちた猛打は、あの原(前巨人監督)や津末(元巨人)を擁して5季連続で甲子園出場した70年代を思わせるほど。11安打8点、そのうち7点までが長打絡みだった。6度目のセンバツで1試合2発は初めてだ。
昨年秋の明治神宮大会の初戦(対柳ケ浦)でコールド負け。門馬監督がある提案をした。「強い相模を取り戻し、先輩方に近づこう」。それまで白だった縦じまユニホームの色を、30年前とほぼ同じ青みがかったグレーに戻した。冬場には1・2キロのトレーニングバットで1日1000スイングをノルマとし、最低3時間はバットを振り続けた。そんな打線の援護でエース小泉も3失点完投。オールドファンも喜ばせ、東海大相模の猛打が春の甲子園に嵐を呼ぶ。
<香川・三本松 まさかの2失策>守備を評価された希望枠での出場だったが、2失策が失点に絡んだ。エース宮崎も闘志を前面に押し出し165球完投ながら11安打8失点。昨春の希望枠出場・秋田商(秋田)に続いての初戦突破はならなかった。東海大相模の好投手・小泉に中盤に反撃したが最後は力負け。田中監督は「予想以上に強力だった。ウチの力不足です」と相手打線の破壊力に脱帽していた。
<山形・羽黒 延長12回サヨナラ!>ブラジル人留学生、エース片山の粘り強い投球が山形県勢初のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。延長12回2死三塁、八幡商のエース上田が暴投。三塁走者のブラジル人留学生・中島が決勝のホームを踏んだ。スタンドではブラジルから初来日した片山の母ヨウコさん(44)らが応援。母からプレゼントされた十字架を胸に、181球を投げ抜いた片山は「ピンチの時は神様のことを考えて心で投げました」と勝利を喜んだ。
<滋賀・八幡商 ワンバウンド…上田涙163球>延長12回まで気迫の投球を見せたエース上田が最後に力尽きた。2死三塁からの163球目、スライダーはワンバウンドの暴投。三塁走者がホームを踏むのをぼう然と見送った。昨春は逆転サヨナラ勝ちした1回戦(対常葉学園菊川)で完投。1年たって立場は逆転し、03年準々決勝の花咲徳栄・福本(対東洋大姫路)以来のサヨナラ暴投に「1球の大切さを学んだ。この経験を夏につなげたい」と雪辱を誓っていた。
<愛知・東邦 木下10回9K完封>古豪と古豪。そして右の本格派同士の息詰まる投手戦。最後の最後に笑みをこぼしたのは東邦のエース木下だった。
最速は育英・若竹に1キロ及ばない144キロ。「直球が走らなかった」と話す。すぐに制球重視に切り替え、10回6安打3四球9奪三振。粘りの投球が0―0の延長10回2死一塁から、女房役・水野のサヨナラ三塁打を呼び込んだ。「若竹君に投げ勝ったのは素直にうれしい。球速を出すより、勝つことにこだわった」 教訓を得たのは柳ケ浦(大分)の初戦敗退。エース山口俊が25日の天理戦で151キロをマークしながら0―4で敗れたのをテレビで見た。「いくら速くても高めに投げたらやられる」。心の中で「コントロール」と唱えながら、自身初の延長戦で完封。昨年8月に就任した森田監督に甲子園初勝利をプレゼントして「もっともっと目立ちたい」と胸を張った。春の東邦。伝統の力が進撃の合図だった。
<兵庫・育英 若竹痛恨136球目>エース若竹が痛恨の136球目に泣いた。延長10回2死から四球を許した後、水野に右中間三塁打を打たれてサヨナラ負け。初回に東邦・木下を上回る最速145キロをマーク。7三振を奪ったが、最後まで味方の援護に恵まれなかった。それでも試合後には、木下から「また夏に甲子園で会おう」と声をかけられ「僕の分まで頑張ってほしい」とエールを送っていた。
3月27日 第1試合
▽1回戦 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
安打 1 0 0 1 0 1 1 0 1 1 0 1 7
八幡商(滋賀) 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1
羽 黒(山形) 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 2
安打 1 0 1 2 1 1 1 0 2 1 0 1 11
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1―1の延長十二回、羽黒は先頭の中島が投手強襲の内野安打。送りバントと二ゴロで三進し、暴投でサヨナラのホームを踏んだ。片山は四回に先制点を奪われたが、後は粘り強く投げ、ピンチを踏ん張った。八幡商の上田も九回1死三塁を切り抜けるなど力投。しかし、最後は得意のスライダーの制球が乱れ、ワンバウンドになった。
八幡商 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(6) 西 浦 3 5 0 0 0 0 0 1 0 0 .000
(8) 松 本 3 5 0 2 0 0 0 1 2 1 .400
(5) 三 上 3 3 1 1 0 0 1 1 1 0 .333
(3) 木 村 3 4 0 1 0 2 0 0 0 0 .250
R3 富 原 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
(9) 水 田 3 3 0 0 0 1 1 1 0 0 .000
(7) 門 出 3 5 0 2 1 2 0 0 0 0 .400
(2) 川 口 3 3 0 0 0 2 2 0 0 0 .000
(4) 荒 金 3 5 0 1 0 2 0 0 0 0 .200
(1) 上 田 3 4 0 0 0 0 1 0 0 0 .000
計 38 1 7 1 9 5 4 3 1 .184
羽 黒 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(8) 中 島 2 6 1 3 0 0 0 0 0 0 .500
(4) 根 村 3 5 0 1 0 2 0 1 1 0 .200
(2) 押 切 3 6 1 3 0 0 0 0 0 0 .500
(9) 吉 田 3 4 0 0 0 1 0 1 0 0 .000
(5) 吉 野 3 5 0 2 1 1 0 0 0 0 .400
(3) 松 井 3 5 0 0 0 2 0 0 0 0 .000
(7) 佐 藤 3 4 0 1 0 1 1 0 0 0 .250
(6) 金 子 3 4 0 1 0 1 0 1 0 1 .250
(1) 片 山 3 4 0 0 0 2 0 1 0 0 .000
計 43 2 11 1 10 1 4 1 1 .256
▽二塁打 中島、押切、木村、佐藤▽残塁 八10羽11▽併殺 八0羽1(根村―金子)=6回▽暴投上田=12回 ▽審判(球)窪田、藤野、元雄、武藤 ▽試合時間 2時間41分
投 手 回 打 投 安 振 球 失 責 防御率
上 田 11 2/3 48 163 11 10 1 2 2 1.54
片 山 12 47 181 7 9 5 1 0 0.00
3月27日 第2試合
▽1回戦 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
安打 2 0 1 2 3 0 1 0 2 11
東海大相模(神奈川) 2 0 0 2 2 0 0 0 2 8
三本松(香川) 0 0 0 1 2 0 0 0 0 3
安打 0 1 0 1 2 1 0 0 0 5
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東海大相模が強力打線の実力を見せた。初回、田中の右越え2ランで先制し、さらに四回には小林が左越え2ランと、本塁打攻勢で優位に立った。先発の小泉は中盤につかまったが、3失点で完投。三本松はエース宮崎が相手の中軸打者を抑え切れず。五回は稲沢、大山の長打で3点差に追い上げたが、その後は1安打と沈黙した。
相 模 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(7) 岩 崎 3 5 0 1 2 1 0 0 0 0 .200
(6) 竹 内 2 5 2 2 0 1 0 0 1 1 .400
(5) 角 3 3 0 1 1 0 1 1 0 0 .333
(3) 田 中 2 2 3 2 2 0 2 1 1 0 1000
(8) 小 林 3 5 1 2 3 0 0 0 0 0 .400
(9) 兵 動 2 4 0 1 0 0 1 0 0 0 .250
(4) 小 玉 2 4 0 1 0 0 0 0 0 0 .250
(2) 鈴 木 2 4 1 1 0 2 0 0 0 0 .250
(1) 小 泉 3 3 1 0 0 3 1 0 0 1 .000
計 35 8 11 8 7 5 2 2 2 .314
三本松 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(3) 大 山 3 4 1 2 1 0 0 0 1 0 .500
(7) 山 下 3 2 0 0 0 1 0 1 0 0 .000
H 新 田 3 1 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
7 大 谷 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ――
(2) 浜 垣 3 2 0 0 1 0 2 0 0 0 .000
(6) 児 玉 3 4 0 1 0 0 0 0 0 0 .250
(5) 安 冨 3 2 0 0 0 1 0 2 0 0 .000
(9) 占 部 3 3 0 0 0 0 0 0 0 1 .000
H 保 田 3 1 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
(8) 中 川 2 3 0 1 0 0 0 0 0 0 .333
H 近 藤 3 1 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
(1) 宮 崎 3 2 1 0 0 0 1 0 0 0 .000
H 広 瀬 2 1 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
(4) 萩 原 3 1 0 0 0 0 0 0 0 1 .000
H4 稲 沢 2 2 1 1 1 0 0 0 0 0 .500
計 29 3 5 3 5 3 3 1 2 .172
▽本塁打 田中1号(2)(宮崎)=一回、小林1号(2)(宮崎)=五回▽三塁打 岩崎、稲沢▽二塁打 竹内、大山2、田中▽残塁 相7三5▽併殺 相2(小玉―竹内)=2回(竹内―小玉―田中)児玉=8回、三0 ▽審判(球)中本、野口、岸、荒田 ▽試合時間 2時間15分
投 手 回 打 投 安 振 球 失 責 防御率
小 泉 9 35 129 5 5 3 3 3 3.00
宮 崎 9 42 165 11 7 5 8 7 7.00
3月27日 第3試合
▽1回戦 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
安打 1 0 1 0 0 0 1 0 2 1 6
育 英(兵庫) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
東 邦(愛知) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
安打 1 1 0 1 0 0 1 2 0 1 7
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東邦が息詰まる投手戦を制した。0―0で迎えた延長十回、東邦は2死から西村が四球で出塁。次打者の水野が右中間へ三塁打を放ち、サヨナラ勝ちした。エース木下は終盤、制球に苦しみながらも9奪三振で完封。味方の好守備にも助けられた。育英は九回無死一、二塁などの好機を逃し、力投する若竹を援護できなかった。
育 英 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(6) 近 藤 3 4 0 3 0 0 0 0 0 1 .750
(8) 林 3 2 0 1 0 0 1 1 0 0 .500
(3) 原 3 4 0 1 0 1 0 0 0 0 .250
(5) 吉 井 3 3 0 0 0 1 1 0 0 0 .000
(7) 小 笹 3 2 0 0 0 2 0 0 0 0 .000
7 浜 川 3 2 0 1 0 0 0 0 0 0 .500
(2) 小 林 3 4 0 0 0 2 0 0 0 0 .000
(9) 今 井 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
(1) 若 竹 3 2 0 0 0 1 1 0 0 0 .000
(4) 加 藤 3 3 0 0 0 2 0 0 0 0 .000
計 29 0 6 0 9 3 1 0 1 .207
東 邦 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(6) 瀬戸川 3 4 0 0 0 1 0 1 0 0 .000
(4) 奥 村 3 5 0 1 0 1 0 0 0 0 .200
(8) 末 藤 3 5 0 1 0 0 0 0 0 0 .200
(7) 西 村 3 4 1 2 0 0 1 0 0 0 .500
(2) 水 野 3 4 0 2 1 0 0 1 0 0 .500
(9) 堀 尾 3 3 0 0 0 1 1 0 0 0 .000
(3) 伊藤俊 3 2 0 0 0 1 2 0 0 0 .000
(1) 木 下 3 3 0 0 0 3 1 0 0 0 .000
(5) 丸 山 3 4 0 1 0 0 0 0 0 0 .250
計 34 1 7 1 7 5 2 0 0 .206
▽三塁打 水野▽二塁打 水野、奥村▽残塁 育3邦11▽併殺 育0邦3(瀬戸川―奥村―伊藤俊)吉井=4回(丸山―水野―奥村)=7回(奥村―瀬戸川―伊藤俊)小林=10回▽暴投 木下2=7回▽ボーク 若竹=7回 ▽審判(球)赤井、東条、田中、佐々木、籔内、穴本 ▽試合時間 2時間7分
投 手 回 打 投 安 振 球 失 責 防御率
若 竹 9 2/3 41 136 7 7 5 1 1 0.93
木 下 10 33 131 6 9 3 0 0 0.00
東邦、延長十回サヨナラ勝ち
【育英・東邦】十回裏2死一塁、水野の右中間適時打で西村が還りサヨナラ。飛び上がって喜ぶ西村とぼう然とする育英のバッテリー=阪神甲子園球場で27日、貝塚太一写す
第77回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第4日は27日、第3試合で3年連続27回目出場の東邦(愛知)が延長十回の投手戦を制し、1−0で5年ぶり13回目出場の育英(兵庫)にサヨナラ勝ちした。
東邦は延長十回、2死から西村が四球で歩き、続く水野が右中間に三塁打を放って、サヨナラ勝ちした。主戦・木下は高めの速球に伸びがあり、9奪三振、被安打6で完封。育英は七回1死一、三塁など再三の好機を3併殺で逃し、若竹の好投に報いることが出来なかった。
▽東邦・森田泰弘監督 興奮しています。(サヨナラの)瞬間は一生忘れないでしょう。最後はラン・エンド・ヒット。水野がよく打ってくれました。
▽育英・藤村雅美監督 早く点を取りたいと焦ったのか、あれだけミスをしたら仕方ない。走塁などの状況判断ができるよう選手には原点に返って練習してもらう。
■読みドンピシャリ
「打った瞬間、頭の中が真っ白になった」と、サヨナラ打を放った東邦の主将・水野は白い歯をみせた。
十回2死から西村が四球で出塁した。次打者の水野は「よしよし」と口元が緩んだ。前の打席の八回1死一、三塁の好機では捕邪飛を打ち上げ、先制機を逃していた。足早にベンチに戻る姿には悲壮感が漂い、やるせない思いが全身を包み込んだという。
「八回の失敗を繰り返したくない。ヒーローになりたい」。気持ちは自然と高揚した。だが、八回の打席とは違う。狙いは速球一本。冷静に上からたたくと、心に決めて打席に入った。
1球目は外角に大きくはずれた。「次は絶対、速球でストライクを取りに来る」。読みと集中力はドンピシャリ。こん身の一打は鋭い金属音を残して、右中間を抜けていった。「二塁を回った時に西村がホームを駆け抜けたのが見えた」。走塁の勢いは止まらず、三塁ベースをしっかり踏んで勝利の整列に加わった。
前日の練習では速球投手・若竹をイメージして打撃マシンを150キロに設定、時間の許す限りバットを振り込んだ。二回も速球を二塁打にしていた水野は「思ったより速く感じなかった。終盤に必ずチャンスが来る」と自信を持っていた。
森田監督も「水野は守備、打線とも要であり司令塔」と全幅の信頼を寄せる。守備でも冷静な判断で再三のピンチを切り抜けてきた“司令塔”は「今日はおいしくご飯が食べられる」と八回の形相とは正反対の笑顔で、インタビューに応えていた。【渡辺隆文】
○…サヨナラ勝ちにも「満足いかない」と口元をゆがめた東邦の1番・瀬戸川。一回、育英のエース若竹の速球に空振り三振を喫し、「先頭打者が三振じゃチームが乗れない」。4打数無安打と打撃は振るわなかったが、その分遊撃の守備で見せた。四回1死一塁で中堅に抜けそうな打球を併殺に仕留め、九回の無死一塁では逆を突かれた三遊間の打球に飛びつき(記録は安打)、進塁を最小限に防いだ。2回戦の相手は東海大相模。「次は打撃で皆を引っ張りたい」と闘志を燃やしていた。
第5日は午後1時試合開始 第3試合は順延
選抜高校野球大会本部は27日、試合日程の一部変更を発表した。低気圧の影響で、同日夜から28日昼ごろにかけて降雨が見込まれるため。
第5日の28日は開始時間を午後に繰り下げ、2試合を開催。第1試合の青森山田(青森)−沖縄尚学(沖縄)は午後1時、第2試合の浦和学院(埼玉)−西条(愛媛)は同3時半開始の予定。
第3試合の神村学園(鹿児島)−星稜(石川)戦は1日延期し、第6日の29日午前8時半に試合を開始する。これにより当初の3試合の開始時間を予定より1時間半ずつ繰り下げ、同日は計4試合となる。
東海大相模が長打力で三本松を圧倒
東海大相模ー三本松 四回表東海大相模2死一、二塁 走者一掃の三塁打を放ち塁上でガッツポーズの岩崎=阪神甲子園球場で2005年3月27日、貝塚太一写す
東海大相模ー三本松 一回表東海大相模2死一塁 田中が右越えに先制の2点本塁打を放つ=阪神甲子園球場で2005年3月27日、望月亮一写す
第77回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第4日は27日、第2試合で5年ぶり6回目出場の東海大相模(神奈川)が8−3で希望枠で初出場の三本松(香川)を破った。
東海大相模が長打攻勢で三本松を突き放した。一回、田中の2ランで先制すると、四回には岩崎の適時三塁打で2点。五回も小林の2ラン、九回はスクイズなどで加点し計8点を挙げた。三本松は五回に代打・稲沢、大山の連続長打で3点差に迫ったが、小泉の速球を最後まで打ちあぐねた。
▽門馬敬治・東海大相模監督 うれしい。選手は熱い心を持って戦ってくれた。三本松はすべての面で強く、気迫があったが、常に先手を取って得点できた。五回の2点本塁打が非常に大きかった。次の対戦のことは全く考えていない。
▽三本松・田中成明監督 一回、田中君に一発を打たれて後手後手に回った。宮崎には力勝負をしないで、コースに気をつけて投げろと指示したが、相手の力が上でした。
▽角一晃・東海大相模主将 最初は緊張したが体を動かすうちにほぐれてきた。初回に先制できたのが大きかった。チーム全体の雰囲気が一つになって戦っていた。次からもチーム一丸になって一戦一戦を大切に戦っていきたい。
■「泥臭く、ひたむきに」
東海大相模野球について問われれば、主将の角はこう繰り返す。「泥臭く、ひたむきに」。チームにかけた呪文のように、この言葉が効いた。
象徴的なのは3点リードの九回。先頭の竹内の平凡な飛球が右翼手のグラブをかすめる。バットを手放した瞬間から全力疾走していた竹内は、ヘッドスライディングで三塁を陥れた。続く3番・角のスリーバントスクイズで挙げた7点目が、とどめの一撃となった。
「どんな時も全力疾走するのがチームの決めごと」と竹内は言う。一回に田中、五回には小林と中軸に2ラン2本が飛び出し、結果的には打力で圧倒した形。だが、試合の流れを決めたのは、平凡なゴロでも頭から一塁に飛び込む、なりふり構わぬ必死さだ。
守りもしかり。四回無死二塁から小泉がバント処理で一塁悪送球。続く二ゴロでは、併殺を狙った小玉の送球を、遊撃・竹内が落とした。ミスの連鎖を断ったのは、落球後の一塁送球。間一髪まに合わなかったとはいえ、的確かつ懸命なプレーだった。
昨秋の関東の覇者が、希望枠の三本松に対する時、最大の敵は自らの心のすきだったろう。ひたむきなプレーに、すきは生まれない。選手たちの胸まで泥にまみれたユニホームが、誇らしげに語っていた。【藤倉聡子】
○…東海大相模の右腕・小泉は、5安打3失点の内容にも「初戦は勝つことが大事ですから」と表情を変えなかった。一回、先制点をもらって「緊張感が解けた」と言うだけあり、前半から得意の直球で押し続けた。五回、代打の稲沢に右中間三塁打、大山には左越え二塁打と連打で失点を許したが、「直球が高めに浮いただけ」とあっさり。「調子がよいとは言えないが、次は球を低めに集めて満足できる投球をしたい」
羽黒が初勝利 八幡商にサヨナラ勝ち
【八幡商・羽黒】十二回裏羽黒2死三塁、投手の暴投で中島が生還してサヨナラ。本塁にかけ寄って喜ぶ羽黒ナイン=阪神甲子園球場で27日、佐々木順一写す
【八幡商・羽黒】十二回裏羽黒2死三塁、打者・吉田の時、投手の暴投で中島が生還してサヨナラ。抱き合って喜ぶ中島(8)と吉田=阪神甲子園球場で27日、佐々木順一写す
第77回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第4日の27日、1回戦第1試合で初出場の羽黒(山形)が延長戦の末、2−1で2年連続7回目出場の八幡商(滋賀)にサヨナラ勝ちした。
羽黒は1−1で迎えた十二回、中島が投手強襲安打で出塁すると、バントと二ゴロで2死三塁とサヨナラの好機。続く吉田の2球目に八幡商・上田の暴投を誘い、今大会初の延長戦を制した。八幡商は四回、門出の右前打で1点を先制したが、九回2死一、三塁の好機を逃したのが痛かった。
▽羽黒・横田謙人監督 苦しい展開になると予想していた。最後は神さまがこちらにいたかな。片山のことは心から信じていた。初めてにしては、よく低めに集めていた。
▽八幡商・池川準人監督 (サヨナラ暴投は)低く丁寧に投げようとした上田の思いが出たのだろう。片山君は打ち気をそらす投球が巧みだった。走塁死などのミスが響いた。
■接戦演出の両エース
「甲子園には1球の怖さを教えてもらいました」。八幡商のエース上田は試合前、昨春のセンバツ2回戦で決勝点を3ランで奪われた経験を、そう振り返った。1年たった今春。延長十二回、2死三塁に自らの暴投でサヨナラ負けを喫した。痛恨の163球目。ぼう然とする上田の前で、投げ合った羽黒の片山が、本塁付近に出来た歓喜の輪に加わっていた。
見応えのある投手戦だった。片山は普段1試合に1、2球しか投げないチェンジアップを一回から多投し、120キロ台の速球との緩急をつけた。対する上田は速球で内角を突き、得意のスライダーを低めのボール球にして凡打を誘った。配球の妙と、それを実現する制球力。両エースが持ち味を出し切った接戦は、“春は投手力”の評価を実証するものだった。
圧巻は九回の攻防。片山は1死三塁のピンチにも動ぜず、「狙って取った」という2三振で勝ち越し点を阻止。上田もその裏、1死三塁でセーフティースクイズを俊敏な守りで、三塁走者をアウトにすると、その後を三振で切り抜けた。片山、上田とも最後の「空振り三振」を奪った決め球は、高めの誘い球。土壇場でも打者心理を読める冷静さが光った。
ブラジルからの留学生で、何度もマウンドで十字を切った片山は「神さまに手伝ってもらった試合」と振り返った。自己最多の181球。勝利の感想を求められると「上田君に感謝したい」と、にっこり笑った。その言葉の本当の重さは、全力で戦い終えた両エースだけが分かち合える絆(きずな)ではないだろうか。【加藤敦久】
○…サヨナラのホームを踏んだ羽黒の中島は「勝ててよかった」と笑顔を見せた。延長十二回、打席に入る前にエースの片山から「絶対に出ろよ」と励まされ、投手強襲安打で期待に応えた。ソツのない走塁で三進すると、予想もしない暴投で生還。片山と抱き合って初出場初勝利を喜んだ。三回には中前への当たりを俊足で二塁打にするなど、リードオフマンぶりを存分に見せつけた。
第3日 3月26日(土)
▽1回戦
第1試合 9:30 宇部商(山口) 6−2 高 松(香川)
第2試合 12:00 大産大付(大阪) 0−2 愛工大名電(愛知)
第3試合 14:30 東筑紫学園(福岡) 4−5 如水館(広島)
3月26日 第1試合
▽1回戦 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
安打 3 0 1 2 1 0 1 0 0 8
宇部商(山口) 1 0 2 1 1 0 1 0 0 6
高 松(香川) 0 0 2 0 0 0 0 0 0 2
安打 1 0 3 1 0 0 0 1 0 6
--------------------------------------------------------------------------------
宇部商は初回、3連打で1点を先制。三回には江本、四回には井田の長打で加点。その後も小刻みに得点を奪った。エース好永は8奪三振の力投。三回に2点を失ったが、五回以降はわずか1安打に抑えた。高松は一、二回の好機を生かせず。エース田窪は五回まで毎回三振を奪いながらも制球が不安定で、内野守備も5失策と乱れた。
宇部商 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(4) 山 野 3 5 0 0 0 0 0 0 1 0 .000
(3) 上 村 3 4 2 1 0 1 1 0 0 0 .250
(9) 工 藤 3 4 1 1 0 0 1 0 1 0 .250
(1) 好 永 3 4 1 1 1 2 1 0 0 1 .250
(8) 江 本 3 4 1 2 2 1 1 0 1 0 .500
(6) 豊 田 2 3 0 1 1 1 0 1 0 0 .333
(7) 添 3 3 0 0 1 1 0 1 0 0 .000
(2) 星 山 3 4 1 1 0 0 0 0 0 0 .250
(5) 井 田 3 4 0 1 1 0 0 0 0 0 .250
計 35 6 8 6 6 4 2 3 1 .229
高 松 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(8) 因 藤 3 3 1 1 0 1 1 1 0 0 .333
(4) 樫 原 3 4 1 1 0 2 0 0 0 0 .250
(5) 稲 毛 3 4 0 1 0 1 0 0 0 2 .250
(3) 森 3 4 0 2 1 1 0 0 0 1 .500
(9) 岸 2 3 0 0 0 1 1 0 0 0 .000
9 平 池 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ――
(7) 坂 本 3 3 0 0 1 0 1 0 0 0 .000
(1) 田 窪 3 3 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
H 村 上 3 1 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
(6) 池 内 3 4 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
(2) 溝 渕 3 3 0 1 0 0 1 0 0 2 .333
計 32 2 6 2 8 4 1 0 5 .188
▽三塁打 因藤、井田▽二塁打 江本▽残塁 宇8高8▽併殺 宇0高0▽暴投 田窪=1回 ▽審判(球)東条、桂、山崎、田中 ▽試合時間 2時間5分
投 手 回 打 投 安 振 球 失 責 防御率
好 永 9 37 141 6 8 4 2 2 2.00
田 窪 9 41 156 8 6 4 6 4 4.00
3月26日 第2試合
▽1回戦 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
安打 1 0 0 0 0 0 1 1 1 4
大産大付(大阪) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
愛工大名電(愛知) 0 0 0 2 0 0 0 0 × 2
安打 0 1 1 3 0 0 0 1 6
--------------------------------------------------------------------------------
愛工大名電はエース斉賀の好投が光った。多彩な変化球と安定した制球で的を絞らせず、4安打完封。攻撃は得意のバントを多用。四回は4番堂上の二塁打などで無死満塁とし、花山が先制スクイズ。続く井坂の適時打で2点を奪った。大産大付は先発の大西が粘り強く投げたが、打線が援護できず。3失策と守備でもリズムを欠いた。
大産付 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(6) 岡 沢 3 3 0 0 0 1 1 0 0 2 .000
(8) 宮 城 3 3 0 2 0 1 1 0 0 0 .667
(5) 島 袋 3 3 0 0 0 1 0 1 0 1 .000
(7)1 内 田 2 4 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
(9) 鷲 尾 2 3 0 1 0 0 0 0 0 0 .333
(4) 津 賀 3 3 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
(2) 明 田 3 3 0 0 0 2 0 0 0 0 .000
(3) 福 山 3 3 0 1 0 0 0 0 0 0 .333
(1) 大 西 3 2 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
H 倉 元 3 1 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
7 小 林 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ――
計 28 0 4 0 7 2 1 0 3 .143
名 電 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(8) 佐々孝 3 4 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
(6) 柴 田 3 4 0 1 0 0 0 0 0 0 .250
(9) 小 島 3 4 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
(5) 堂 上 2 3 1 2 0 0 0 1 1 0 .667
(7) 山 田 3 3 1 2 0 0 0 1 0 0 .667
(1) 斉 賀 3 2 0 0 0 0 1 1 0 0 .000
(3) 花 山 3 2 0 0 1 1 0 1 0 0 .000
(2) 井 坂 3 2 0 1 1 0 1 0 0 1 .500
(4) 石 黒 2 1 0 0 0 0 0 2 0 0 .000
計 25 2 6 2 1 2 6 1 1 .240
▽二塁打 堂上▽残塁 大4愛7▽併殺 大0愛1(堂上―花山)=9回▽暴投 斉賀=6回 ▽審判(球)日野、若林、釜井、元雄 ▽試合時間 1時間56分
投 手 回 打 投 安 振 球 失 責 防御率
大 西 7 29 99 5 1 2 2 2 2.57
内 田 1 4 11 1 0 0 0 0 0.00
斉 賀 9 31 115 4 7 2 0 0 0.00
3月26日 第3試合
▽1回戦 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
安打 2 1 1 2 2 1 0 0 0 9
東筑紫学園(福岡) 3 0 0 0 0 0 0 1 0 4
如水館(広島) 3 0 0 0 0 0 1 0 1× 5
安打 3 0 0 0 0 0 1 1 2 7
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如水館は4―4の九回一死満塁から代打の丹波が中前にサヨナラ安打を放った。一回に3点ずつ取り合い、二回以降は攻め切れなかった。守備ではピンチの連続だったが、先発政岡の踏ん張りが最後に勝利を呼び込んだ。 東筑紫学園は二回以降も再三好機をつくったが、けん制アウトなどのミスもあり、勝ち越せなかった。
東筑紫 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(4) 鷹 野 3 5 1 2 0 2 0 0 1 2 .400
(6) 新 地 2 2 1 1 0 0 2 1 0 0 .500
(2) 小 原 3 2 0 0 1 0 1 2 0 0 .000
(3) 黒 木 3 5 1 0 0 0 0 0 0 0 .000
(1) 酒 井 3 4 1 2 1 1 1 0 0 0 .500
(9) 月 森 3 4 0 1 0 1 1 0 0 0 .250
9 野 中 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ――
(5) 久 澄 3 4 0 1 2 0 1 0 0 0 .250
(7) 加 納 3 4 0 1 0 2 0 0 0 0 .250
(8) 渡 辺 3 3 0 1 0 1 1 0 0 0 .333
計 33 4 9 4 7 7 3 1 2 .273
如水館 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(9) 北 受 3 4 0 0 0 2 0 0 0 0 .000
(6) 佐々木 3 3 1 1 0 1 1 0 0 0 .333
(2) 礒 合 3 4 1 1 0 0 0 0 0 0 .250
(7) 平 賀 3 4 0 1 0 2 0 0 0 0 .250
R 高 松 3 0 1 0 0 0 0 0 0 0 ――
(8) 鶴 端 3 3 2 1 1 0 0 1 0 0 .333
(1) 政 岡 3 3 0 2 1 1 1 0 0 0 .667
(3) 柚 木 2 3 0 0 0 1 1 0 0 0 .000
(4) 村 上 3 2 0 0 1 0 0 1 0 1 .000
H 丹 波 3 1 0 1 1 0 0 0 0 0 1000
(5) 奥 川 2 3 0 0 0 0 0 0 0 1 .000
計 30 5 7 4 7 3 2 0 2 .233
▽三塁打 政岡▽二塁打 月森、新地、平賀▽残塁 筑12如5▽併殺 筑1(新地―鷹野―黒木)礒合=8回、如0▽暴投 酒井=1回 ▽審判(球)宮本、鹿多、穴本、西貝 ▽試合時間 2時間4分
投 手 回 打 投 安 振 球 失 責 防御率
酒 井 8 1/3 35 124 7 7 3 5 3 3.24
政 岡 9 43 172 9 7 7 4 3 3.00
堂上口火打!愛工大名電 春夏通算10勝目
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第77回選抜高校野球大会第3日は26日、甲子園球場で1回戦3試合が行われ、第2試合は昨年準優勝の愛工大名電(愛知)が2年生4番・堂上直倫内野手の一打で突破口を開き、エース斉賀洋平投手(3年)も大産大付(大阪)を4安打完封。第3試合では如水館(広島)が9回、代打・丹波大晃外野手(3年)のサヨナラ打で東筑紫学園(福岡)を下した。第1試合は宇部商(山口)が21世紀枠で出場の高松(香川)に快勝。27日は1回戦3試合が行われる。
4回、スクイズで生還する堂上
<愛知・愛工大名電>強烈な打球が左翼フェンスにツーバウンドでぶつかった。4回だ。愛工大名電の2年生4番・堂上のバットが先制点への口火を切った。 先頭打者。2―1からの内角球を思い切り引っ張った。左翼線を鮮やかに破る二塁打。攻撃のリズムをつくって7番・花山の投前スクイズで先制のホームを踏んだ。8回には同じ2年生4番の内田から中前打して三盗も。初の大舞台でも気後れはなかった。「楽しかった。(ヒットは)2本ともスライダー。直球を狙っていたけど、体が勝手に反応しました」
父・照氏(53)は元中日投手(現中日昇竜館寮長)、兄・剛裕(19)は中日内野手という野球一家。アルプス席で観戦した父は「勝ってホッとした」と控えめだが、中日・中原スカウトは「兄が剛なら弟は柔。マスクもいいし、スター性がある」と来年のドラフト候補として評価した。
主砲の打棒に乗ってエース斉賀が散発4安打完封、打線は6犠打を確実に決めた。準優勝した昨センバツと同じ戦い方で、チームは春通算10勝目。「打てる球は全部ヒットにしたい」。堂上の強気な言葉は初Vへの合図でもあった。
<大阪・大産大付 気合の5厘刈り実らず>部員56人全員が気合の5厘刈りで臨んだが、主砲の出来が明暗を分けた。愛工大名電・堂上との2年生4番対決が注目された内田は4打数無安打。8回には投手として堂上と対戦し、痛烈な中前打を許した。「(堂上は)投打とも意識した。向こうの方が上ですね」。米国人の父アンドレ・ウィルソンさん(49)は渡米中で勇姿を見せられなかったが、試合後は堂上と握手を交わし夏の雪辱を誓っていた。
<広島・如水館 汚名返上サヨナラで春1勝>劇的なサヨナラでセンバツ初勝利を挙げた。同点の9回1死満塁で代打・丹波が中前にしぶとく抜ける殊勲打。昨秋に腰を痛め背番号9から17に降格した悔しさを晴らした。「“オレを出してくれ”と思っていた。次も結果を出したい」。チームは壮行式にタレントが出席し、大会前に高野連から厳重注意。慶応(神奈川)の新谷に続く今大会2人目の代打サヨナラ打は、チームの汚名返上の第1歩ともなった。
<福岡・東筑紫学園 酒井「ああ、春は終わった」>エース酒井が9回に力尽きサヨナラ負け。1死三塁から満塁策を取り、最後は代打・丹波に中前へ痛恨の一打。酒井は「外角に外すつもりが真ん中に入った。“ああ、春は終わった”と感じた」と唇をかんだ。それでも浜口監督は「酒井はよく投げた。攻撃で強気にいったのが裏目に出た」。6回1死三塁など再三の好機を強攻策で逸した采配を悔やんだ。
<山口・宇部商 玉国監督甲子園通算20勝目>エース好永が粘りの投球で、就任30年目の玉国監督に甲子園通算20勝目を贈った。序盤は持ち味の制球が定まらなかったが、5回以降は高松を1安打に抑え、6安打8奪三振2失点で完投。「みんなで監督に20勝目をプレゼントできてよかった」。全選手の名前が書かれたウイニングボールを受け取った玉国監督は「(卒業した)先輩たちにも感謝したい」と笑顔だった。
<香川・高松 エース田窪、腰痛で6失点>エース田窪が腰痛に泣いた。24日のブルペン投球の際に腰をひねり、テーピングをして先発したが球威、制球ともに欠いて6失点。72年ぶりの春を飾れず「迷惑をかけた。72年間の先輩の分をしっかりできなかった」と肩を落とした。それでもナインは大歓声を受けて精いっぱいのプレー。秦監督は「甲子園はすごく楽しいところでした」とサバサバした表情で話した。
如水館が初勝利 東筑紫学園にサヨナラ勝ち
九回裏如水館1死満塁 丹波の中前打で高松が生還しサヨナラ(捕手・小原)=阪神甲子園球場で26日、貝塚太一写す
第77回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第3日の26日、1回戦第3試合は如水館(広島)が同点の九回1死満塁で代打・丹波が中前適時打を放ち5−4で東筑紫学園(福岡)にサヨナラ勝ちした。
○如水館5−4東筑紫学園●
如水館がサヨナラ勝ち。九回、平賀の中越え二塁打と2つの敬遠四球などで1死満塁とし、代打・丹波の中前打で決着をつけた。先発・政岡は尻上がりに制球が安定し、味方の援護を呼んだ。東筑紫学園は一回、3点を先取。二回以降も再三得点圏に走者を置いたが、決定打を欠いた。
▽如水館・迫田穆成監督 サヨナラの場面は(八回に落球した)村上に名誉ばん回の機会を与えたかったが、丹波の勝負強さにかけた。村上はスクイズも決め、よくやった。
▽東筑紫学園・浜口善晴監督 3点取った後にすぐ追い付かれてはね…。2度の満塁のチャンスをつぶしていては勝てない。酒井がよく投げていただけに残念です。
◇苦しみながらもセンバツ初勝利
中盤はピンチの連続だった。いずれも三塁走者を背負い、うち2回が満塁。マウンドを守るのは如水館の左腕・政岡。遊撃の佐々木主将は「自信を持って投げろ。しっかり守るけ」と励ました。
昨秋の広島大会決勝以来となるマスクをかぶった礒合もエースを支えた。痛めていた右肩も癒え、二、五回にけん制で走者を刺す。スリークオーターに時折、サイドスローを交える政岡の内角直球で打者の懐をえぐり、スライダーとカーブを織り交ぜて凡打に仕留めた。「落ち着いていた。配球も丁寧に四隅を使った」と迫田監督は絶賛した。
打席のベース寄りぎりぎりに立っていた東筑紫学園の各打者に対し、「向かっていく気持ちがなかった」と反省した政岡。心の乱れが制球に表れ、一回に2安打、3四死球で3失点。徐々に制球力を取り戻し、172球を投げ抜いた後は「みんなに助けられた」との言葉ばかりがついて出た。
政岡を中心とした守りのチームが苦しみながらも、代打・丹波のサヨナラ打でセンバツ初勝利。迫田監督は「また一つ成長した」と目を細めた。【武藤佳正】
○…如水館の丹波は同点の九回1死満塁に代打で登場。ナインから「冬の走り込みに耐えたんだ。自信を持って行け」と送り出された打席で、中前へサヨナラ打を打ち返した。新チーム結成直後は右翼手のレギュラーだったが、昨秋の県大会は腰痛、中国大会は不振で結果を残せず、背番号は「9」から「17」に変更されていた。「頭が真っ白だったが、思い切って打てた。最高です」と丹波。得意の打撃を最高の場面で発揮し、顔を上気させていた。
○…九回1死三塁から満塁策を取った東筑紫学園のエース酒井だが、如水館の代打・丹波の打球はワンバウンドで頭上を超え、前進守備の二遊間を破るサヨナラ打に。「外角に外す球が内に入ってしまった」と失投を悔やんだ。一回こそ緊張から球が浮いて3失点したが、それ以降は得意のスライダーが切れ、5回連続で3者凡退。それでも「要所は締めていたが、いつもより球が甘かった」と酒井。「あの1球が今日の投球を象徴していた」とうつむいた。
毎日新聞 2005年3月26日 16時48分
愛工大名電が大産大付を完封
【大産大付・愛工大名電】四回裏愛工大名電無死満塁、花山の投前スクイズで堂上が還り先制=阪神甲子園球場で26日、貝塚太一写す
第77回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第3日の26日、1回戦第2試合は昨春準優勝の愛工大名電(愛知)が斉賀の好投と得意の機動力を駆使した攻撃で初出場の地元・大産大付(大阪)に2−0で競り勝った。
○愛工大名電2−0大産大付●
愛工大名電がバント攻撃と斉賀の好投で逃げ切った。四回、堂上の二塁打と山田のバント安打などで無死満塁とし、花山のスクイズと井坂の左前打で2点を先取。これを斉賀が4安打完封で守った。大産大付は大西が力投したが、打線が斉賀の低めの変化球に対し、内野ゴロの山を築いた。
▽愛工大名電・倉野光生監督 斉賀が冷静だった。前回のセンバツ優勝戦で先発した経験が生きた。だが、打線は後半淡白になったのが反省点。次に生かしたい。
▽大産大付・小田洋一監督 打てなかった。先制された焦りからボールに手を出してしまった。3失策は相手の足が速いという重圧から。大西はよく粘り、百点満点。
◇得意のバント攻めで必勝パターン
必勝パターンは今年も健在だった。愛工大名電は四回、先頭の4番・堂上が左翼線を破る二塁打で出塁。ここから得意のバント攻めが始まった。
山田の投前バントが大産大付・大西の焦りを誘って安打となり、斉賀の四球で無死満塁と絶好のチャンス。ここで打席に立った花山は前打席で大きなミスを犯していた。
二回2死二塁でセーフティーバント。成功したかに思われたが、右足が打席から出る反則行為でアウト。動揺が心配された四回の打席だった。
だが、尾を引くところは全くない。「全然気にしていなかった。打てのサインよりスクイズが良かった」と花山。昨秋の公式戦でチーム最多タイの13犠打飛を決めた実績が自信を支えている。「バント練習を率先してやる選手。迷いはなかった」と倉野監督の思いも同じ。「3球目を転がせ」のサイン通り、1−1からワンバウンドしそうな外角球を投手前に決め、先取点を挙げた。
続く井坂には一転して「打て」のサイン。「先制して気が楽になった」とカーブを左前にはじき返して追加点。以前なら連続スクイズで得点を挙げていたが、今年は違う。状況に応じた攻めが出来るのだ。
変幻自在の攻撃に倉野監督は、「バントは昨年の蓄えがある。相手がバントをより一層意識してくれれば自分たちのペースに持ち込める」と自信を深める。昨春はあと一歩のところで悔し涙をのんだチームが、攻守にまとまり、順調に滑り出した。【渡辺隆文】
○…愛工大名電の主戦・斉賀は「あまりコーナーを狙わずに、まん中を狙って投げた。打たせて取る投球をしたかったから」と振り返った。スライダー、フォークの切れに自信があるからこそ出来る投球で、狙い通りに大産大付に内野ゴロを量産させた。昨春敗れた優勝戦以来となる甲子園の登板で完封勝ち。「昨年の経験があったから、落ち着いて投げられた」と大舞台にも余裕をのぞかせていた。
○…パワーあふれる打撃を買われて2年生ながら4番を務めた大産大付の内田だったが、愛工大名電・斉賀の前に4打数無安打。「スライダーの切れがすごくて。タメを作ってしっかり振れるよう練習します」と脱帽した。八回からはリリーフで登場。140キロ超の速球を交え、1回を無失点に抑えた。劣勢にもはじけるような笑顔を絶やさず、ベンチを盛り上げた姿が印象的だった。
宇部商が快勝 高松及ばず
【宇部商・高松】一回表宇部商2死一、二塁、打者が豊田の時、二塁走者の工藤が進塁(野手・稲毛)=阪神甲子園球場で26日、貝塚太一写す
第77回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第3日は26日、第1試合で昨秋の中国大会の覇者・宇部商(山口)が6−2で21世紀枠出場の高松(香川)を降した。宇部商の玉国光男監督は甲子園通算20勝を達成した。
○宇部商6−2高松●
宇部商が好機で着実に得点を重ねた。一回、好永の中前適時打で先制。三回には敵失と四球の走者を江本が三塁線突破二塁打で還し、四回には井田の中越え適時三塁打で突き放した。高松は三回、四球に続く3連打と押し出し死球で1点差に迫ったが、その後は2安打。5失策も響いた。
▽宇部商・玉国光男監督 一回の先制点が大きかった。球種を絞らせず、積極的に打たせていった。好永は立ち上がりは緊張していたが、五回くらいから立ち直った。
▽高松・秦敏博監督 直球狙いだったが、最初は好永投手のスピードに戸惑った。中盤以降は変化球を多投されて早めに追い込まれ、打ち崩せなかった。
〇…高松の4番・森がチーム唯一の適時打を含む2安打を放ち、重責を果たした。三回1死満塁、宇部商の左腕・好永の初球ストレートを右前へ。「初球には直球が多いことは分かっていた。投手の癖を研究した結果」と喜んだ。同校野球部だった3歳年上の兄孝介さんにあこがれたが、受験に失敗。それでも「高松で甲子園を目指したい」と、中学浪人し、1年遅れで入部した苦労人だ。「大観衆の中で野球ができる喜びを感じた。つらい1年は無駄ではなかった」と満足していた。
第77回センバツ高校野球大会 3月25日 第1試合
▽1回戦 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
安打 1 1 1 2 4 1 1 2 1 14
福井商(福井) 0 1 0 2 4 0 0 1 1 9
新 田(愛媛) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
安打 0 0 0 0 1 0 2 0 0 3
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投打がかみ合った福井商が圧倒した。先発の林は140キロ台の直球を軸に付け入るすきを与えず、8回1/3を3安打無失点。打線は二回、斎藤進の左ソロ本塁打で先制し、四回に2点を追加。五回には相手のミスに4安打を絡め、打者一巡で一挙4点を奪った。 新田はエースの門田が五回途中で降板。打線も林を最後まで攻略できなかった。
福井商 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(8) 奥 田 3 4 1 2 0 0 0 1 1 0 .500
1 斉 藤 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ――
(4) 奥 井 3 3 1 1 1 2 0 2 0 1 .333
(5) 宮 前 3 5 0 2 1 1 0 0 0 0 .400
(7) 小 坂 3 5 2 2 1 0 0 0 0 0 .400
(3) 西 谷 3 5 1 0 0 1 0 0 0 0 .000
(2) 斎藤進 3 3 2 2 1 0 1 1 0 0 .667
(6) 原 田 3 5 0 2 2 0 0 0 0 1 .400
(1)9 林 3 5 1 2 2 2 0 0 0 0 .400
(9)8 斎藤昇 3 3 1 1 0 1 0 1 0 0 .333
計 38 9 14 8 7 1 5 1 2 .368
新 田 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(5) 加 嶋 2 4 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
(8) 森 3 4 0 0 0 1 0 0 3 0 .000
(4) 田 中 3 4 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
(9)7 相 原 3 4 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
(3) 石 井 3 4 0 1 0 3 0 0 0 0 .250
(1)9 門 田 3 3 0 2 0 0 1 0 0 1 .667
(2) 宮 本 3 3 0 0 0 1 1 0 1 0 .000
(7) 渡部和 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
1 三 好 3 2 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
H 久 保 3 1 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
(6) 村 上 2 2 0 0 0 1 1 0 0 2 .000
計 32 0 3 0 10 3 0 4 3 .094
▽本塁打 斎藤進1号(1)(門田)=二回 ▽二塁打 奥井▽残塁 福8新8▽併殺 福0新1(加嶋―石井)=7回 ▽審判(球)藤野、池、荒田、元雄 ▽試合時間 2時間12分
投 手 回 打 投 安 振 球 失 責 防御率
林 8 1/3 32 123 3 9 2 0 0 0.00
斉 藤 2/3 3 10 0 1 1 0 0 0.00
門 田 4 0/3 22 79 8 4 1 7 4 9.00
三 好 5 22 63 6 3 0 2 1 1.80
第77回センバツ高校野球大会 3月25日 第2試合
▽1回戦 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
安打 3 1 0 1 3 0 0 0 0 8
一迫商(宮城) 2 0 1 0 2 0 0 0 0 5
修 徳(東京) 0 0 0 0 0 0 1 0 1 2
安打 0 0 1 2 1 1 2 0 2 9
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一迫商がそつのない攻めで快勝。初回1死二、三塁から佐々木のスクイズと佐藤勇の遊撃内野安打で2点先制。1点追加で迎えた五回には、佐藤勇、千葉の連続タイムリーで突き放した。先発の佐藤勇は低めを丁寧につく投球で完投。 修徳はリリーフの磯部が好投しただけに、先発の斉藤の乱調が響いた。打線も好機であと1本が出なかった。
一迫商 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(2) 三浦良 3 5 1 1 0 1 0 0 0 0 .200
(8) 佐藤祐 2 4 3 2 0 0 1 0 0 0 .500
(6) 熊 谷 3 2 0 0 0 1 0 2 0 1 .000
(9) 佐々木 3 3 0 0 1 0 0 1 0 0 .000
(1) 佐藤勇 3 4 1 2 2 0 0 0 0 0 .500
(3) 千 葉 3 4 0 2 1 0 0 0 0 0 .500
(5) 照 井 3 4 0 0 0 1 0 0 0 1 .000
(7) 小野寺 2 4 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
(4) 内 海 3 3 0 1 0 0 1 0 0 0 .333
計 33 5 8 4 3 2 3 0 2 .242
修 徳 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(9)87 佐藤直 2 4 0 1 1 0 0 1 0 0 .250
(7) 高 山 3 2 0 0 0 1 1 0 1 0 .000
H3 小 滝 3 2 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
(8)38 田母神 3 4 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
(3)1 磯 部 2 4 0 2 0 0 0 0 0 0 .500
(5) 長 島 3 4 0 0 0 0 0 0 0 1 .000
(6) 佐藤寛 3 4 1 2 0 1 0 0 0 0 .500
(2) 長 野 3 4 0 1 0 0 0 0 0 0 .250
(1) 斉 藤 3 1 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
1 増 田 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ――
H9 塩 谷 3 2 0 1 0 0 1 0 0 0 .500
(4) 酒 井 3 2 1 2 0 0 0 1 0 0 1000
H 山 口 3 1 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
計 34 2 9 1 4 2 2 1 1 .265
▽二塁打 千葉▽残塁 一6修9▽併殺 一1(千葉)=4回、修0▽暴投 佐藤勇=3回、斉藤2=3回 ▽審判(球)小谷、長谷川、小坂井、善積 ▽試合時間 1時間57分
投 手 回 打 投 安 振 球 失 責 防御率
佐藤勇 9 38 114 9 4 2 2 1 1.00
斉 藤 4 2/3 24 90 8 2 2 5 5 9.64
増 田 1/3 1 4 0 0 0 0 0 0.00
磯 部 4 13 38 0 1 0 0 0 0.00
第77回センバツ高校野球大会 3月25日 第3試合
▽1回戦 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
安打 0 3 1 2 1 0 1 0 1 9
柳ケ浦(大分) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
天 理(奈良) 0 1 0 1 0 1 0 1 × 4
安打 1 0 0 2 0 2 1 3 9
--------------------------------------------------------------------------------
柳ケ浦 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(6) 大 野 3 3 0 2 0 0 1 0 0 0 .667
(4) 工 藤 3 2 0 1 0 0 0 2 0 0 .500
(5) 柴 山 3 4 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
(2) 久 恒 3 4 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
(1) 山口俊 3 4 0 1 0 1 0 0 0 1 .250
(3) 高 田 3 4 0 2 0 0 0 0 0 0 .500
R 福 田 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ――
(7)9 平 見 3 3 0 1 0 0 0 1 0 0 .333
(9) 田 上 3 2 0 1 0 0 0 0 1 0 .500
H 前 嶋 3 1 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
7 青 山 3 1 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
(8) 常 深 3 4 0 1 0 0 0 0 0 0 .250
計 32 0 9 0 5 1 3 1 1 .281
天 理 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(9) 松 原 2 4 0 0 0 2 0 0 0 0 .000
(5) 高 田 3 4 1 1 0 1 0 0 0 0 .250
(7) 真 井 3 4 2 3 0 1 0 0 0 0 .750
(8) 田中克 3 3 0 2 2 0 0 1 0 0 .667
(2) 橋 間 3 2 1 2 0 0 1 1 1 0 1000
(3) 東 3 2 0 0 1 0 1 1 0 0 .000
(4) 森 川 3 3 0 0 1 1 0 1 0 0 .000
(1) 小 倉 3 4 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
(6) 藤 原 2 3 0 1 0 0 0 0 0 0 .333
計 29 4 9 4 6 2 4 1 0 .310
▽三塁打 真井▽二塁打 工藤、田中克、橋間、藤原▽残塁 柳9天7▽併殺 柳0天0▽暴投 小倉=4回▽ボーク 山口俊=6回▽審判(球)浜田、新阜、佐々木、西貝 ▽試合時間 2時間9分
投 手 回 打 投 安 振 球 失 責 防御率
山口俊 8 35 139 9 6 2 4 3 3.38
小 倉 9 36 125 9 5 1 0 0 0.00
強打の天理、柳ケ浦の本格派右腕を打ち崩す
【柳ケ浦・天理】二回裏天理1死三塁、森川のスクイズで橋間が生還。先制点をもぎ取る=阪神甲子園球場で25日、西村剛写す
第77回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第2日は25日、第3試合で強打が看板の天理(奈良)が4−0で昨秋の明治神宮大会を制した柳ケ浦(大分)を破った。
○天理4−0柳ケ浦●
天理がソツのない攻めと先発・小倉の完封で快勝。二回、四球の橋間の二盗後、連続犠打を決めて無安打で先制し、四回は真井、田中克の連続長打で2点目。六回は田中克の犠飛、八回は押し出し四球で加点した。柳ケ浦は五回まで毎回、得点圏に走者を置いたが、決定打を欠いた。
◇148キロ、痛打
一回、柳ケ浦の山口俊の投じた2球目。球速表示が「148キロ」を示すと、天理ベンチで「よっしゃ、出た」と歓声が上がった。「あの速球を打ちたかった」と4番・田中克。それほど待ち望んだ対決だった。
一回は3番・真井が148キロの速球を中前へ痛打した。四回は再び真井が速球を右中間へ運んで三塁打。田中は速球狙いのまま、カーブを「反射的にためを作って」左中間二塁打で続く。力と技で奪った2点目だった。
この日のため、徹底したイメージトレーニングを積んだ。バスの移動中にも田中は目を閉じ、山口と対決。150キロ近い速球を打つには「体の軸をぶらさない」と結論を得た。その隣で真井は「球の軌道に一直線に振ればいい」と悟った。実際に140キロに設定した打撃マシンを1メートルも打席に近づけ、確かめてきた。
山口攻略の秘策を実らせた2人は、「いつも通りに打てました」と口をそろえた。バットをひと握りも余さず、フルスイング。剛球投手にも天理のスタイルを貫けたことが、何よりうれしかったようだ。【加藤敦久】
▽天理・森川芳夫監督 出来過ぎで夢を見ているよう。試合前の予想はヒット3本で1得点。2点取られたら負けと思っていた。だが、生徒たちが球に食らいついた。
▽柳ケ浦・藤久保茂己監督 前半に走者を出しながら攻め切れなかった。山口(俊)は球が高かった。投打ともに詰めが甘い。夏に向けて鍛え直します。
21世紀枠の一迫商が修徳を破り甲子園初勝利
【一迫商・修徳】一回表一迫商2死三塁、佐藤勇のタイムリーで佐藤祐が生還=阪神甲子園球場で25日、西村剛写す
第77回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第2日は25日、第2試合で21世紀枠で初出場の一迫商(宮城)が着実に加点し、5−2で26年ぶり3回目出場の修徳(東京)を降して甲子園初勝利を挙げた。
○一迫商5−2修徳●
一迫商は佐藤勇が投打に活躍した。一回、佐々木の3バントスクイズと佐藤勇の内野安打で2点を先取。三回は暴投、五回も佐藤勇、千葉の連続適時短長打で加点した。佐藤勇は投げても2失点完投。修徳は先発・斉藤の乱調が誤算。九回無死満塁も佐藤直の遊ゴロによる1点にとどまった。
▽一迫商・熊谷貞男監督 九回無死満塁のピンチは、選手たちを信じていた。佐藤勇はここ数日、フォームが安定していたので、やってくれると思っていた。
▽修徳・小田川雅彦監督 斉藤が気負わず投げられるのか、という心配が的中した。打線も低めの変化球に手を出して自滅し、守勢に回った弱さが出てしまった。
○…「行けるところまで」と序盤から全力投球の一迫商・佐藤勇。三回を終えたころから毎回、熊谷監督に「まだ行けるか」と声を掛けられたが、その都度「行けます」と答えた。気がつけば公式戦では2度目の完投勝利を収め、思わずバンザイで喜びを表した。「内角の変化球が良く、三浦良のリードにも支えられた。最後まで疲れは感じなかった」。打者としても2本の適時打を放ったエースは、満足そうに会心の試合を振り返った。
○…修徳の左腕・斉藤は五回途中で8安打5失点で降板。好調時は右打者の内角に食い込む速球が武器となるが、この日は変化球主体。三回の失点に結びついた2暴投はいずれもかわそうとしたカーブだった。「向かっていく気持ちがなかった」と手厳しい小田川監督に対し、「昨秋に故障して活躍できなかった分、恩返ししようとしたが……。一からやり直しです」とうなだれていた。
☆…第2試合に登場の一迫商の地元・宮城県一迫町(人口約9300人)では、4日前に完成したホールの大スクリーンで試合をテレビ中継。新ホールは、同町など10町村の合併で4月1日に誕生する「栗原市」の施設。実際のオープンはまだ先だが、「『甲子園で応援したいが、遠くて行けない』というお年寄りが町内にたくさんいる」と、一足早く楽しんでもらうことにした。詰め掛けたお年寄りたちは、大きな画面に映し出される「町の球児」の姿に熱い声援。
☆…修徳(東京)の最年長コーチ、山崎宏さん(60)は今月末に定年退職を迎える。このため選手と過ごせる日は残りわずか。「36年間の教員生活の最後を甲子園で送ることができ、感無量です」とほほ笑む。
同校がセンバツ初出場した76年は監督。親しみを込めて「大将」と呼ばれる山崎さんは26年間にわたり野球部員約400人を育ててきた。「甲子園は誰にでも来られる場所ではない。そこに連れて来てくれた選手たちに感謝の気持ちでいっぱい。1日でも長く、甲子園で試合前のノックをして最高の思い出を作りたい」
福井商、14安打の猛攻 新田初戦で散る
【福井商・新田】二回表福井商無死、斎藤進が左越えに大会第1号本塁打を放つ=阪神甲子園球場で24日、木葉健二写す
第77回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第2日は25日、第1試合で3年ぶり17回目出場の福井商は投打がかみ合い、15年ぶり2回目出場の新田(愛媛)に9−0で完勝した。
○福井商9−0新田●
福井商が投打に圧倒した。先発・林は140キロを超える速球を主体に、九回1死で降板するまで3安打。打線も毎回の14安打。二回、斎藤進が大会第1号ソロ、四回には林が2点適時打を放った。新田は五回に門田がようやく初安打。七回無死から石井、門田が連打したが、後続が断たれた。
▽福井商・北野尚文監督 先制本塁打が効いた。(毎回安打は)ラッキーなヒットが続いただけ。心配していた林は(フォームの)ばらつきを修正する力がついてきた。
▽新田・秋山和輝監督 五回の失策絡みの失点で浮足だった。打線は外角球に的を絞らせたが力負けした。守備も打撃も2ランクアップしないと全国で通用しない。
◇剛腕・林 実力を存分に発揮
就任38年目の福井商・北野監督が「10年に一人の逸材」と評する剛腕・林。初めての甲子園マウンドでその実力を存分に見せた。
一回、新田の先頭打者・加嶋を二ゴロに仕留めたこん身のストレート。打球の行方を見守った先には、自己最速の「147キロ」を表示する電光掲示板が見えた。「これならいけるかも」。140キロ台の速球を次々と投げ込み、時折切れ味鋭いスライダーを織り交ぜる。相手打線を寄せ付けなかった。
2月末にインフルエンザにかかり、1週間、満足に食事さえ取れなかった。投げ込みを始めたのは、開会式の10日前。「試合中は調子が良くても、投げ込み不足の不安が消えなかった」。力投とは裏腹に、大きな不安を抱えたマウンドだった。
そんな林の一番の理解者が、女房役の斎藤進だった。小学校の同級生で、学童野球でもバッテリーを組んだ仲。「あいつの不安を消してやりたい」。林の心の内は、痛いほど理解していた。二回、内角速球を振り抜いた飛球は浜風にも乗って左翼席へ。「あの1本が精神的に大きな支えとなった」と林。この先制ソロが呼び水となり、打線も14安打を連ねた。
完封目前の九回1死、林は「少しでも(2番手の)斉藤に投げさせたかった」(北野監督)という理由で降板したが、「甲子園のマウンドは、最高に気持ち良かった」。互いを知リ尽くしたバッテリーが、一躍注目を集める存在になってきた。【和田崇】
○…左打者が5人並ぶ福井商打線。新田の左腕・門田に手こずるかと思われたが、4番の左打者・小坂が2安打を放ち、攻略に大きく貢献した。四回、右前打を放って2点目の本塁を踏み、五回には無死一、三塁から門田を退ける中前適時打。「(門田対策として)左投手を相手に打撃練習をしてきた成果。引きつけて直球を弾き返せた」。4番の仕事を十分に果たした。
○…大会第1号本塁打は福井商・斎藤進のバットから生まれた。二回1死、門田の内角速球を一振りすると打球は左翼ポ−ル際へ。「うまくすくい上げることが出来た」と振り返った。捕手としても林を好リード。「いつも林に迷惑をかけているので、何とか楽にさせてやろうと思っていた」。エースを援護した会心の先制弾に笑顔いっぱいだった。
○…新田のエース門田は「二回のホームランで動揺してしまった。何とか気持ちを切り替えようと思ったのですが」と、ぽつりぽつりと話した。五回には自らのバント処理のミスも絡んで4点を失い、この回途中で降板。「相手打線に(自分の投球リズムと)呼吸を合わされた」と悔やんだ。それでも打席では福井商・林から2安打と奮闘し、「甲子園でやれて満足でした」。
☆…福井商(福井)応援団が陣取る一塁側アルプススタンドで、選手と同じユニホーム姿の私設応援団長、西村敏明さん(63)=福井市=が声援を送った。ユニホームの背番号は「10」。7年前、野球部OB会から「10人目のナインに」と贈られたものだ。西村さんが同校の応援のため甲子園に初めて駆けつけたのは71年春。以来、同校の甲子園での全試合を観戦。この日の新田(愛媛)戦で、観戦した試合は57戦目を数えた。西村さんは「78年の準優勝が一番の思い出。もう一度、優勝戦が見たい」とスタンドで声をからしていた。
☆…新田(愛媛)の三塁側アルプススタンドには、その快進撃ぶりから「ミラクル新田」の異名を取った90年センバツの準優勝メンバー十数人が顔をそろえた。久々の再会を喜び合いながら、後輩たちのプレーを熱いまなざしで見守った。当時、準決勝の北陽(大阪)戦で、延長十七回にサヨナラ本塁打を放った池田幸徳さん(32)は「今年のチームも逆境には強い。最後まであきらめない戦いを見せてほしい」と、“ミラクル再現”を願っていた。
http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/ama/05senbatsu/news/20050325k0000m050024000c.html
駒大苫小牧、神戸国際大付、慶応が初戦突破(毎日新聞)
第77回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第1日の24日は1回戦3試合。第1試合は史上5校目の夏春連覇のかかる駒大苫小牧(北海道)が、林の巧打と2年生右腕・田中の力投で戸畑(福岡)との接戦を制し、センバツ初勝利。第2試合は神戸国際大付(兵庫)が八回の集中打で、甲府工(山梨)に逆転勝ちし、春夏通じて甲子園初白星を挙げた。強い風雨に見舞われた第3試合は一進一退の末、45年ぶり出場の慶応(神奈川)が九回、代打・新谷の中前打で関西(岡山)にサヨナラ勝ちした。
○駒大苫小牧(北海道)2−1戸畑(福岡)●
○神戸国際大付(兵庫)4−1甲府工(山梨)●
○慶応(神奈川)8−7関西(岡山)●
センバツ:
慶応がサヨナラ勝ち 関西・西所力尽きる
三回裏慶応2死一、三塁、打者湯浅の時、ダブルスチールが成功し竹内が生還。勝ち越し=阪神甲子園球場で24日、木葉健二写す
○慶応(神奈川)8−7関西(岡山)●
慶応が粘り強くサヨナラ勝ちし、45年ぶりの勝利。七回に4連続短長打で再逆転すると、同点の九回は湯浅の中前打、山口の四球、中林の中前打で1死満塁とし、代打・新谷が中前適時打を放った。関西は七回に4長短打などで逆転、八回も上田、安井の連打で追いついたが、最後はエース西所が力尽きた。
▽慶応・上田誠監督 九回の満塁のピンチを切り抜けた高橋のリードが勝因。延長戦を覚悟したが、まさかサヨナラで勝てるとは。校歌を聞いたらジーンときて涙が出た。
▽関西・江浦滋泰監督 どちらに転んでもおかしくなかった。甲子園はリズムを作りにくく、指示も通らない。生徒には冷静に考えて行動できる意識を持たせたい。
◇慶応、風雨の中で「エンジョイ・ベースボール」
慶応ボーイの合言葉は「エンジョイ・ベースボール」。そんなしゃれた響きもかき消されてしまうような激しい風雨の中でのサヨナラ劇だった。
九回裏1死満塁。代打の新谷は、カウント1−2からのスクイズのサインを見落としてしまう。打って出てファウル。「雨粒が目に入って見えなかった」という。命拾いした新谷は次の速球を中前に運び、慶応の歓喜の輪が、水の浮き出た本塁周辺に広がった。
勝利への布石はエースの踏ん張りにあった。「寒すぎて、1球1球がアップもしないで投げているみたいだった」と中林は言う。奪った7三振のうち5個が四回までのもの。冷たい雨も、足場の悪いマウンドもこたえたはずだ。
八回にはライナーを額に受け、その安打をきっかけに追いつかれた。しかし、「あれで『負けない』と奮い立った」という。九回には四球で走者を出し、2死からの8球連続ボールで満塁のピンチを招いてしまう。続く石口を「しんどかったけど、勝ちたい気持ちが強かった」と、フルカウントから速球で一ゴロに仕留めた。寒さの中、すらりとした体からまるで湯気が立ち上るような、熱いマウンドだった。
九回の攻撃前。主将の漆畑は「延長、行こうぜ」と呼びかけて仲間を和ませた。「こんなに楽しい試合なら、ずっとやっていたい、って言うんです。体は限界だったかも。でも楽しんだ」と中林。嵐の中で、エンジョイ・ベースボールの心意気が輝いた。【藤倉聡子】
○…3安打3打点と主砲の役割を十分に果たした慶応の4番・湯浅。一回はスライダーを引っ掛け内野ゴロに打ち取られが、その後は高めに狙い球を絞ったのが功を奏した。九回1死の打席でも「変化球は捨て、速球だけに的を絞っていた」と高めに浮いた初球の直球を見逃さず、中前に弾き返し出塁すると、代打・新谷の中前適時打でサヨナラのホームを踏んだ。「本当に勝ててよかった。スタンドの大声援も後押ししてくれた」と笑顔だった。
○…関西・西所は冷たい雨に泣いた。ベンチ裏では使い捨てカイロで指先を温め続けたが、制球が定まらない。「あまり調子は良くなかった。変化球が高めに浮いた」。苦し紛れに投げた直球が真ん中に集まったところを、慶応打線に集中打された。「打線がカバーしてくれたのに……。精神力を鍛え直したい」と悔しがった。
○…「西所の調子は悪くなかった。打たれたのは僕の責任です」と関西の捕手・平井は敗戦の責任を一人で背負い込んだように小さな声でポツリポツリ。慶応打線について「思いきりがよく、力のある打者が多かった」と印象を話したが、「夏、慶応とまた対戦したいか」という質問には「もちろん。ここ一番で力を発揮できるよう夏までに精神面などを鍛え直したい」ときっぱり。
毎日新聞 2005年3月24日 16時47分
神戸国際大付、八回一挙4点で甲府工に逆転勝利
八回裏神戸国際大付2死一、二塁 堂本の右中間三塁打で井内が生還して勝ち越し。後方は一塁走者の鎌田=阪神甲子園球場で24日、貝塚太一写す
神戸国際大付の先発・大西=阪神甲子園球場で24日、西村剛写す
○神戸国際大付(兵庫)4−1甲府工(山梨)●
神戸国際大付が鮮やかな集中打で逆転勝ち。1点を追う八回1死二塁から井内の左前適時打で同点。さらに2死一、二塁から堂本、代打・長谷川の連続長短打で3点を勝ち越した。甲府工は七回2死一、二塁から小野の適時二塁打で先制したが、好投の三森が単調になったのが痛かった。
▽神戸国際大付・青木尚龍監督 スライダーにてこずり、嫌な展開だったが、堂本がよく打ってくれた。七回の失点は投手を代えるタイミングがずれてしまった。
▽甲府工・原初也監督 打てないのは分かっていたから、展開は理想通りだった。八回につかまるのは、昨秋からの三森の課題。いいピッチングをしてくれたのだが。
◇甲府工、三森祥平投手「このままでは終わりません」
要所を突いて、仕留める。身上の投球ができていたのに八回、別人になってしまった。
「注意していた打者に打たれてしまった」と振り返るのは1死二塁の場面。五、六回にダイビングキャッチで先頭打者の飛球を処理するなど好守で意気上がる井内に同点打を許した。抑えたい気持ちが先走り、2死一塁から尾崎に死球。その直後の初球を、堂本に右中間に運ばれた。「死球で嫌な予感がした。冷静になれと常々言っていたのに」と原監督。力んで傷口を広げる負けパターンが大舞台でも出た。
昨春も出場し、1勝。だが夏は敗れ、終盤のスタミナが課題に残った。走り込んで克服したつもりだが、甘くなかった。
試合後、原監督と並んだインタビュー。「三森には4番まで任せ、負担が大きすぎた。彼なしで戦えるチームを作りたい」と、聞こえよがしに大声で言う原監督。それが気になり、自分の受け答えは上の空に。しかし、最後に「このままでは終わりません」。き然として言った。【上鵜瀬浄】
○…好投を続けていた大西が失点を許したのは七回。得意のカーブを小野に左中間に打たれ、先制された。だが、大西は「あれでスイッチが入った」。シュンとする内野手を見回し、「終わってへんのやから、そんな顔せんといて」と奮い立たせた。その後も好投し、チームは逆転。「次の駒大苫小牧戦も、こんな試合をしたい」と大西は、早くも闘志をむき出しにしていた。
★神戸国際大付の鎌田が負傷 神戸国際大付の鎌田竜児左翼手(3年)が甲府工戦の六回、左ひざに死球を受けた。試合後、兵庫県尼崎市内の病院で左ひざの亀裂骨折のため全治2週間と診断された。
毎日新聞 2005年3月24日 13時31分
駒大苫小牧、夏春連覇へ好発進 戸畑惜敗
戸畑ー駒大苫小牧 二回裏 駒大苫小牧 2死一、三塁 林が左中間にタイムリー二塁打を放つ=阪神甲子園球場で24日、貝塚太一写す
http://www.sponichi.co.jp/baseball/ama/2005spring/result/01-1.htm
○駒大苫小牧(北海道)2−1戸畑(福岡)●(スポニチ)
駒大苫小牧が序盤のリードを守り切った。一回、林の三塁打を足がかりに1点先制。二回も2死一、三塁から林の適時二塁打で加点。田中が戸畑を犠飛による1点に抑えた。戸畑は矢野が二回途中から好救援しただけに、再三の好機を送りバント失敗でつぶしたのが悔やまれる。
▽駒大苫小牧・香田誉士史監督 田中が伸び伸びといい投球をしてくれた。思い切りのいい判断と、好フィールディングでカバーしたバント処理も大きかった。
▽戸畑・牧村浩二監督 今回の敗因はバントミス。5年前は大敗したので、強豪チームと接戦をしたことが収穫。(2番手の)矢野がスライダーで攻め、よく投げた。
◇駒大苫小牧 昨夏覇者のおごりなく
「連覇の重圧? いえ、選手宣誓が終わった時点で、重圧は消えました」。定位置の中軸から1番に起用された林は一回の第1打席、晴れ舞台に戻った喜びしか感じなかったという。4球目のカーブを右越え三塁打。「速球狙いなのに、自然と体が動いた。甲子園に来ると何でも出来そうな気がします」。昨夏の快進撃は、今も選手を勇気づけている。
三回以降は大振りが目立ち、戸畑の2番手、技巧派の矢野の術中にはまった。香田監督は「もって来い、もって来い」と何度も打席の選手に叫んだ。緩い変化球を引き付けろ、との意味だ。だが、それは強振するな、の意味ではない。ベンチに選手が戻ると必ず「向かっていけよ」と声を掛けるのも忘れなかった。
わずか1点リードの九回1死の守りで、林は正面に来たセカンドゴロをお手玉してしまう。すぐに帽子のつばに手を当て、マウンドの田中にこう言った。「ごめん。次の打者を強気で抑えてくれ」。決して守りに入るな。思いは最後まで貫いた。
この日のセンバツ初勝利を辛勝と見ていたのは、観戦する側だけだったらしい。香田監督は「不満? 選手は持っている力をすべて出している」ときっぱり語った。林も「1点差の試合を勝てて、次に弾みがつきます」と白い歯がこぼれた。「あくまで自分たちは挑戦者」。指揮官と選手がそう口をそろえるチームに、昨夏の覇者のおごりはない。【加藤敦久】
○…駒大苫小牧のマウンドを、“第3の男”2年生の田中が、完投で守り切った。昨年夏の優勝時、投の原動力となった松橋と吉岡を差し置いての出番は、「気持ちでやったる」という強気が好転。要所で素早いバント処理を見せた。後半はストレートが自己最速の143キロをマーク。スライダー、フォークもさえた。「2人の先輩が後ろに控えているから思い切って行けた」と田中。「先輩に負けない自信もついた」とも付け加えた。
○…二回途中からマウンドに上がった戸畑のエース矢野に涙はなかった。「相手が強豪校なので制球に注意して投げた」と言う通り自慢のスライダーを低めに決め、散発3安打に抑える好投をみせた。それでも時折、速球の制球が乱れたこともあり、「次に向けての課題(制球力)が見つかった。それを克服すればさらに投球の幅が広がる」と最後は笑顔を見せた。
毎日新聞 2005年3月24日 12時18分
第77回センバツ高校野球大会 3月24日 第1試合
▽1回戦 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
安打 1 1 0 2 0 1 1 0 0 6
戸畑(福岡) 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1
駒大苫小牧(北海道) 1 1 0 0 0 0 0 0 × 2
安打 1 2 1 0 0 1 0 1 × 6
--------------------------------------------------------------------------------
駒大苫小牧は一回、先頭打者林の右中間三塁打と死球で無死一、三塁とし、続く五十嵐の遊ゴロの間に林が生還。二回は林の適時二塁打で2点目を挙げた。その後追加点は奪えなかったが、先発の田中がフォークを有効に使う粘りの投球で1失点完投した。戸畑はバント失敗など拙攻続き。ロングリリーフの矢野の好投も報われなかった。
戸 畑 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(4) 中村竜 3 3 0 1 0 1 1 0 0 0 .333
(7) 富 田 3 4 1 1 0 0 0 0 0 0 .250
(6) 高 橋 3 4 0 1 0 1 0 0 0 1 .250
(3) 井 上 2 2 0 0 1 1 1 1 0 0 .000
(R) 中村翔 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ――
(2) 片 山 3 4 0 1 0 0 0 0 0 0 .250
(R) 森 松 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ――
(9) 氏 原 3 4 0 2 0 0 0 0 0 0 .500
(5) 広 中 3 3 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
(1) 木 下 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ――
(1) 矢 野 3 2 0 0 0 2 0 1 0 1 .000
(8) 伊 藤 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
計 29 1 6 1 6 2 2 0 2 .207
苫小牧 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(4) 林 3 4 1 2 1 1 0 0 0 1 .500
(6) 辻 3 3 0 0 0 0 1 0 0 0 .000
(5) 五十嵐 3 4 0 1 1 0 0 0 0 0 .250
(8) 本 間 2 4 0 2 0 0 0 0 0 1 .500
(7) 青 地 3 2 0 0 0 0 0 1 0 0 .000
(1) 田 中 2 3 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
(9) 山 口 2 3 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
(3) 杢 代 3 2 1 0 0 0 1 0 0 0 .000
(2) 小 山 3 3 0 1 0 0 0 0 0 0 .333
計 28 2 6 2 2 2 1 0 2 .214
▽三塁打 林▽二塁打 氏原2、 林▽残塁 戸5苫5▽併殺 戸3 (氏原―中村竜―高橋―片山)= 1回(矢野―井上)=3回(広中 ―中村竜―井上)本間=8回、苫 1(林―杢代)=1回 ▽審判(球)橘、岡本、野口、鹿 多 ▽試合時間 1時間49分
投 手 回 打 投 安 振 球 失 責 防御率
木 下 1 2/3 10 34 3 1 2 2 2 10.80
矢 野 6 1/3 21 68 3 1 0 0 0 0.00
田 中 9 33 118 6 6 2 1 0 0.00
第77回センバツ高校野球大会 3月24日 第2試合
▽1回戦 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
安打 0 0 0 1 0 1 2 0 0 4
甲府工(山梨) 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1
神戸国際大付(兵庫) 0 0 0 0 0 0 0 4 × 4
安打 0 1 0 1 0 1 0 4 × 6
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神戸国際大付が鮮やかな逆転勝ち。1点をリードされた八回一死二塁から井内の左前打で同点。さらに二死一、二塁から堂本が右中間に三塁打を放って勝ち越した。先発の大西は先制点を許したが、うまく緩急をつけ、4安打1点で完投した。 甲府工は三森が七回まで無失点と踏ん張ったが、打線が援護できなかった。
甲府工 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(4) 小 野 3 4 0 1 1 0 0 0 0 1 .250
(7) 水 野 3 4 0 0 0 3 0 0 0 0 .000
(9) 梅 原 3 3 0 1 0 1 1 0 0 0 .333
(1) 三 森 3 4 0 1 0 0 0 0 0 0 .250
(8) 出 沢 3 4 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
(6) 折 居 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
(H) 土 橋 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
(2) 望 月 3 3 0 0 0 2 1 0 0 0 .000
(3) 青 木 2 1 1 1 0 0 2 0 0 0 1000
(3) 松 山 3 1 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
(5) 小 石 2 1 0 0 0 0 1 1 0 0 .000
計 29 1 4 1 7 5 1 0 1 .138
神 戸 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(9) 前 田 3 3 1 1 0 0 1 0 1 0 .333
(3) 伊 田 3 3 0 1 0 1 0 1 0 0 .333
(8) 井 内 2 4 1 1 1 2 0 0 0 0 .250
(5) 正 木 3 3 0 1 0 0 1 0 0 0 .333
(7) 鎌 田 3 1 0 0 0 0 1 1 0 0 .000
(7) 尾 崎 3 0 1 0 0 0 1 0 0 0 .000
(4) 堂 本 3 4 1 2 2 0 0 0 0 0 .500
(6) 日 笠 3 2 0 0 0 2 0 0 0 0 .000
(H) 中 野 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
(6) 永 川 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ――
(H) 長谷川 2 1 0 1 1 0 0 0 0 0 1000
(R) 安 福 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ――
(6) 中 村 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ――
(2) 桜 井 3 4 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
(3) 大 西 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
計 29 4 7 4 6 4 2 1 0 .241
▽三塁打 堂本▽二塁打 小野▽ 残塁 甲7神7▽併殺 甲0神1 (正木―堂本―伊田)三森=4回 ▽捕逸 望月=6回 ▽審判(球)長谷川、東条、武藤 、堅田 ▽試合時間 1時間39分
投 手 回 打 投 安 振 球 失 責 防御率
三 森 8 35 101 7 6 4 4 4 4.50
大 西 9 35 112 4 7 5 1 1 1.00
第77回センバツ高校野球大会 3月24日 第3試合
▽1回戦 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
安打 2 0 0 2 1 2 4 2 0 13
関西(岡山) 1 0 0 1 0 1 3 1 0 7
慶応(神奈川) 1 0 3 0 0 0 3 0 1 8
安打 1 0 3 1 1 1 4 0 2 13
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慶応がサヨナラ勝ちで二転三転の接戦をものにした。同点で迎えた九回、2安打1四球で1死満塁とし、代打の新谷が中前にサヨナラ安打を放った。3点を失った直後の七回は2死走者なしから4連打で3点を奪い返すなど、見事な粘りだった。関西も終盤に打線が地力を発揮したが、九回2死満塁を逃したのが痛かった。
関 西 年 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(7) 安 井 2 5 2 3 1 0 0 0 0 0 .600
(5) 長 尾 3 3 1 1 2 1 1 1 0 0 .333
(6) 船 引 3 5 1 2 1 0 0 0 0 0 .400
(4) 松 本 3 3 1 3 2 0 2 0 2 0 .667
(3) 西 村 3 3 0 0 0 1 0 2 0 0 .333
(1) 西 所 3 4 0 0 0 3 1 0 0 0 .000
(2) 平 井 3 4 0 1 1 0 1 0 0 0 .250
(9) 石 口 3 5 1 1 0 1 0 0 0 0 .200
(8) 上 田 2 3 1 2 0 1 0 1 0 0 .667
計 35 7 13 7 7 5 4 2 0 .371
慶 応 打 得 安 点 振 球 犠 盗 失 打率
(9) 竹 内 2 4 2 1 0 0 1 0 1 0 .250
(6) 漆 畑 3 4 0 0 0 0 0 1 0 1 .000
(4) 高 尾 2 4 2 3 0 0 1 0 1 1 .750
(3) 湯 浅 3 5 3 3 3 0 0 0 0 0 .600
(8) 山 口 2 4 1 2 2 1 1 0 0 0 .500
(1) 中 林 3 5 0 3 1 1 0 0 0 0 .600
(7) 谷 地 3 3 0 1 0 1 0 1 0 0 .333
(H) 新 谷 2 1 0 1 1 0 0 0 0 0 1000
(2) 高 橋 3 3 0 0 0 1 0 1 0 0 .000
(5) 渕 上 2 2 0 0 0 0 2 0 0 0 .000
計 35 8 14 7 4 5 3 2 2 .400
▽三塁打 山口、中林▽二塁打 竹内、平井、松本、長尾、船引、 湯浅、山口、安井▽残塁 関10慶 10▽併殺 関0慶1(漆畑―湯浅 )=5回▽暴投 西所2=3回、 5回 ▽審判(球)新阜、日野、籔内、 岸、東条、堅田 ▽試合時間 2時間41分(中断6 分)
投 手 回 打 投 安 振 球 失 責 防御率
西 所 8 1/3 43 154 14 4 5 8 8 8.64
中 林 9 44 160 13 7 5 7 7 7.00
http://www.sponichi.co.jp/baseball/ama/2005spring/kiji/0324.html
慶応 劇的サヨナラで45年ぶり勝利 (スポニチ)
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前日に雨で順延となった1回戦3試合が行われ、第3試合は45年ぶり出場の慶応(神奈川)が9回、代打・新谷拓也外野手(2年)の中前打で劇的なサヨナラ勝ち。エース中林伸陽(3年)も強い雨と風の中、160球で完投した。第1試合は昨夏の優勝校・駒大苫小牧(北海道)が背番号10の2年生右腕・田中将大の力投で戸畑(福岡)を下し、第2試合は神戸国際大付(兵庫)が甲府工(山梨)に逆転勝ち。25日は1回戦3試合が行われる。
抱き合ってよろこぶ、エースの中林(奥)と、サヨナラ打の新谷
<神奈川・慶応>雨にも風にも絶対に負けない。悲鳴と歓声の中で、白球が青芝の上にポトリと落ちた。9回1死満塁から代打・新谷が中前へサヨナラ打。一塁側の大応援団が揺れ、慶応ナインはベンチを飛び出し抱き合った。
「正直、涙が出ました。苦しいゲームをみんなで楽しくできた。エンジョイ甲子園でした」。45年ぶりの校歌に思わず目を潤ませた上田監督。でも、すぐに「帰ってから説教ですね」と笑った。
実は9回のサヨナラの場面、1―2からサインはスクイズだった。それを新谷も三塁走者・湯浅も見落とし、結果はファウル。その直後に劇的な一打が飛び出した。失敗を取り返す強い心。その基礎にあるのが、部訓の1つ「雨と風と延長戦は勝つ」だ。苦しさを乗り越えて勝ってこそ価値があると上田監督が考えたもので、前夜のミーティングでは午後から大雨という天気予報をもとに選手に「これで勝てるぞ」と暗示。激しい雨と風のため急激に冷え込んでも、新谷が「自分で決めようと思ってた」と話す通り、誰の集中力も切れなかった。
マウンドではエース中林が部訓を胸に奮闘していた。指先の感覚を保ち、肩を冷やさぬようカイロを5個使用。ぬかるむマウンドに足を取られながら必死に耐えた。8回には関西・上田の痛烈なライナーが頭部を直撃。「何が起こったか分からなかった」が、ベンチで治療して再びマウンドへ。9回2死満塁のピンチもしのいで160球を投げ抜いた。打っては7回に右越え三塁打を放つなど3安打。「頭は大丈夫。きょうはみんなに助けられて勝てた」 粘って勝つ。逆境にも負けない。それが慶応の野球。歴代のOBを歓喜させ、春の嵐の甲子園で“陸の王者”の45年ぶりの進撃が始まった。
<岡山・関西>エース西所が最後の最後に力尽きた。13安打7点の援護を受けながら、9回1死満塁から154球目を打たれてサヨナラ負け。雨で決め球のナックルも威力を失い「最後は直球。力不足です。僕のせいで負けました」と敗戦を背負い込んだ。それでも江浦監督は「慶応の大応援にのまれたかもしれませんね。選手はいい経験と思います」と夏へ目を向けていた。
駒大苫小牧 夏春連覇へ田中完投発進
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完投勝利の田中はガッツポーズ
<北海道・駒大苫小牧>熱い夏から冬を越えて214日。昨夏の甲子園で最後に流れた駒大苫小牧の校歌が春のオープニングを飾った。「最高。気持ちを前面に自分のピッチングをしようと思った」。自己最速の143キロでセンバツ初勝利を呼んだのは2年生右腕の田中だ。甲子園最高打率・448で昨夏を制した打線が苦しんでも動じない。1点差の7回無死二塁では投前バントを素早く処理して三塁で刺し、118球6安打1失点完投だ。
兵庫・宝塚ボーイズ時代の03年夏、倉敷工(岡山)に8―0とリードしながら降雨ノーゲームの末、再試合で敗れた駒大苫小牧を見て津軽海峡を渡った。同校初の野球留学生は入学時から8センチ伸び1メートル85に成長し、来年のドラフト候補となって地元へ凱旋。香田監督は「ハートが強く動じないんです。よく投げてくれた」と褒めた。昨夏のサイクル男で選手宣誓を務めた林主将も2安打1打点。夏春連覇へ「先輩たちに続く気持ちでいっぱいです」と田中は力強く宣言した。
<福岡・戸畑>4度目の出場でセンバツ初勝利はならなかったが、2年生4番・井上が唯一の打点を挙げた。0―2の6回1死一、三塁から意地の右犠飛。「何としても走者を還そうと思った。ノーヒットは悔しいが、次に1本打ちたい」。スタンドでは戸畑OBの父・修氏(45)が観戦。77年センバツで同じ開幕戦(0―3中村)に敗れ、無安打だった父のためにヒットを打つという夢は夏こそかなえるつもりだ。
<山梨・甲府工 痛恨の逆転負け>原監督が就任して春夏7回の甲子園で初の初戦敗退となった。エース三森が自慢の制球力を生かして7回まで3安打無失点。ところが、1点リードの8回に先頭打者・前田に右前打されると、さらに3安打を浴び4失点。三森は「7回の1点で安心したわけではないけれど、自分のピッチングでなくなってしまった」と悔やんだ。
<兵庫・神戸国際大付>昨秋の近畿大会の覇者が8回一気に逆転、底力を見せつけた。4安打で4点を奪う効率のいい攻撃に、青木監督は「4点は出来過ぎやけど、あのつながりはうちのスタイル。選手に感謝したい」。エース大西は7回に先制を許したものの1失点完投。「あそこ(7回)でガクッとすると、その辺の投手と同じ。スイッチを入れ直しました」と胸を張った。
◆亀裂骨折 神戸国際大付(兵庫)の鎌田龍児左翼手(3年)は左ひざに死球を受けてベンチへ退いた。尼崎市内の病院で診察を受けた結果、左ひざの亀裂骨折で全治2週間と診断された。


